金子凱彦の野鳥調査 第100回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
<備考>
○1羽のカワウが黒川公園の上を低空で旋回する。池に降りるかと期待したがそのまま姿を消して
しまった。
○清水谷公園の池の淵にアオサギがたたずむ。1匹の野良ネコが身をかがめてこのアオサギににじり
寄って行く。大胆にも(無謀にも?)全長93cm、羽を広げると160cmにもなる獲物を襲
う気か?だがアオサギは慌てることなくゆっくりと羽ばたき反対側の水辺に移ってしまった。そ
れを見ていたカルガモ3羽の行動も面白かった。アオサギに近寄るネコの歩調に合わせるように
淵に近づき一緒に移動していた。そしてアオサギが飛びたった後もしばらくネコのそばを離れな
い。今までもネコが池の淵に現れるとモビング(疑似攻撃)?するようにカルガモが近づくこと
がたびたびあった。
△ネコのそばに近寄って行くカルガモたち 2月11日撮影
○大池から西の方に飛ぶカワセミの追尾行動を観察する。まもなく雌が大池に戻って来た。もう1羽
は雄だったのか、そろそろ恋の季節だ。
○シジュウカラは18羽と多かったが、5羽の群れ1回以外は1羽か2羽の観察であった。囀りの
声も聞こえた。
○第2コーポラス前の林をエナガが2羽で行動をしていた。昨年の春には付近でエナガが繁殖をした。
○ひょうたん池の西側からモズの声が聞こえたが姿は観察できなかた。そろそろ繁殖の季節であろ
う。定着し黒川公園で営巣するとよいのだが…。
○わきみず池西側の階段をシロハラが一段一段と登って行く。どこまで行く気かと見守っていると、
多摩平側からレンジャク狙いのカメラマン氏が三脚を担いで降りてきたので階段わきの藪に隠れ
てしまった。なおレンジャクはまだ来ていないようだ。
<備考>
○マガモの雌の姿がない。移動したかと思っていたら翌朝(2/19)から再び雌雄の姿を大池で見
るようになった。
○山王下公園でカワセミの声を聞くが姿を確認できなかった。調査終了後大池で池の淵の藪に隠
れて休息している雄を発見する。同じ個体であったかは不明であるが記録は2羽とした。
○大池の東側でモズの声を聞くが姿を確認できなかった。
○久しぶりにカワラヒワ2羽をあずまや池の斜面で観察する。隣接する草地の広がる防災広場が
消失し(マンション建設中)本種の飛来も少なくなるであろう。
●調査日 2016年2月25日 晴れ
<調査結果>
(1)マガモ2♂♀ (2)カルガモ10 (3)キジバト6 (4)カワセミ1 (5)モズ1
(6)ハシボソガラス3 (7)ハシブトガラス4 (8)シジュウカラ8 (9)ヒヨドリ4 (10)ウグイス1
(11)ムクドリ2 (12)シロハラ2 (13)ツグミ7 (14)キセキレイ1 (15)ハクセキレイ1
(16)ドバト12 (17)ガビチョウ2
<備考>
○わきみず池の東側から南の住宅地にかけてモズが鳴いていた。姿を確認しようと追いかけた
が見失った。2月になり黒川公園ではモズの声をたびたび聞くようになった。
○昨夜雪が降ったためかツグミが多かった。寒い朝、ツグミの声は何か温かさを感じる。
△昨夜降った雪が木々の梢に残り、まるで薄桜を見るような光景だった。ただ午前9時前に
は朝の太陽とともに雪は消えた。2月25日午前8時30分撮影
<特記事項1>
2月になりカワセミの雌雄を調査地内の池でたびたび見るようになった。うまくペアになる
とよいのだが…。
△カワセミの雄 2月8日(わきみず池) 撮影:岩井満男さん
△カワセミの雌 2月26日(わきみず池) 撮影:岩井満男さん
<特記事項2>
○ついに100回になった!これも毎月更新していただいているHP担当のお陰と感謝しており
ます。黒川清流公園は面白い。これからもまだまだ続けます。