金子凱彦の野鳥調査 第103回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
<備考>
○本調査地の西端の第3緑地内をひらひら?飛び回る4~5羽を発見!一瞬何の鳥だか分らなかったが、
1羽が木に止まる。コゲラであった。5羽はファミリーのようだが、すぐ姿を消してしまう。一瞬
の出来事であった。
○頭上からセンダイムシクイの声がするが姿は確認できなかった。
○3か所でキビタキの囀りを聞く。ダブってはいないと思うので記録は3羽として残す。
<備考>
○清水谷公園で警戒の声を盛んに発しているモズの雄を観察する。ただ幼鳥の声は聞かれなかった。
ここから300mほど離れた所で今春モズが営巣しヒナが巣立ったが(4月22日に岩井さんが撮影を
する。先月参照)、別のモズのようである。
○ヤマガラをじっくり観察するが餌運び等は確認できなかった。繁殖は相変わらず不明である。
○キビタキの声を黒川公園と清水谷公園で聞くが、清水谷では初めてのことである。今年はキビタ
キが多いか?
○林内でオオルリが大きな声で鳴いていた。清々しい初夏を感じる。
△キビタキ♂ 5月8日黒川公園にて 撮影:岩井満男さん
●調査日 2016年5月12日 快晴
<調査結果>
(1)カルガモ2 (2)キジバト3 (3)アオゲラ1 (4)モズ2+ (5)ハシボソガラス5
(6)ハシブトガラス3 (7)シジュウカラ3 (8)ヒヨドリ8 (9)ムクドリ8 (10)キビタキ1
(11)スズメ3 (12)ハクセキレイ1 (13)ドバト3 (14)ガビチョウ1
<備考>
○数は不明だが清水谷公園でモズの幼鳥の声が聞こえた。成鳥の雄が電線やTVアンテナに止まり
しきりい鳴いている。本年3か所目の営巣地のようだ。
○第2コーポラス前の林からキビタキの小さな声が聞こえた。
●調査日 2016年5月19日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ2 (2)キジバト4 (3)コゲラ2 (4)アオゲラ1 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス2 (7)シジュウカラ23+ (8)ヒヨドリ13 (9)ムクドリ5 (10)キビタキ1
(11)スズメ3 (12)ハクセキレイ2 (13)ドバト5 (14)ガビチョウ2
<備考>
○コゲラ2羽が飛ぶのを見るが幼鳥のようであった。
○アオゲラがけたたましく鳴きながら林内を飛ぶ。
○シジュウカラの家族群を2か所で観察する。
○小さな声であったがキビタキがいつもの林(第2コーポラス前)で囀っていた。
●調査日 2016年5月31日 くもり
<調査結果>
(1)カルガモ3 (2)キジバト6 (3)カワセミ3 (4)コゲラ2 (5)アオゲラ1
(6)ボソガラス2 (7)ハシブトガラス3 (8)シジュウカラ21 (9)ヒヨドリ6 (10)ウグイス1
(11)ムクドリ5 (12)キビタキ1 (13)ハクセキレイ1 (14)ドバト4 (15)ガビチョウ2
<備考>
○清水谷公園の池でカワセミの幼鳥2羽を観察する。餌を運んできた親は南西方向(豊田駅方向)に
飛び去る。最近黒川清流公園で餌を取っているカワセミの姿を見かけない。どこに取りにいくのか?
○コゲラ2羽は幼鳥のようである
○シジュウカラの家族群に2か所で会う。顔の黄色い幼鳥が羽を振るわせながら親から給餌を受けてい
た。
○第2コーポラス前で今回もキビタキの声を聞く。
<特記事項>
5月28日から清水谷公園の池にカワセミの幼鳥が次々に現れる。岩井満男さんが記録写真を
撮っているので紹介します。
△5月29日 雄親(右)が幼鳥に餌を運んでくる
△6月1日 幼鳥が3羽になる
△6月3日には幼鳥が4羽になる。一番左が餌を運んできた雄親