金子凱彦の野鳥調査  104回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2016年6月10日 快晴

<調査結果>
(1))カルガモ7 (2)キジバト2 (3)アオゲラ1 (4)ハシボソガラス2 (5)ハシブトガラス5
(6)シジュウカラ4 (7)ヒヨドリ5 (8)ムクドリ24± (9)ドバト6 (10)ガビチョウ3


<備考>
○カルガモの親子(ヒナ4羽、成鳥1羽)が大池に流れる水路でせっせと餌を取っていた。
 この親子は6月4日に大池に現れた。前日の6月3日にはヒナ9羽連れの親子が大池に現れたが、
 すぐに他に移動したようだ。この2つのファミリーがどこで営巣しかは不明だ。
○本日もアオゲラのけたたましい声が林内に響き渡っていた。
○ムクドリの群れが鳴きながら桜の木に群がっている。桜の実を食しているのであろう。地表に
 多数の黒い実が落ちていた。
○6月になり久しぶりの観察であったが、5月に比べめっきり鳥影が少なくなった。


●調査日 2016年6月20日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ8 (2)キジバト5 (3)ハシボソガラス5 (4)ハシブトガラス2 (5)シジュウカラ6
(6)ヒヨドリ6 (7)ウグイス2 (8)ムクドリ1 (9)ドバト2 (10)ガビチョウ1

<備考>
○カルガモのヒナ4羽は健在。母親に守られながら水路で餌を取っている。大池にはもう1羽
 成鳥がおり、あずまや池にも成鳥2羽が休んでいた。
○ウグイスは大池西側と第2コーポラス前で囀っていた。別個体であることを確かめる。
○アオゲラの声が聞かれなくなった。巣立って調査地を離れてしまったようだ。


●調査日 2016年6月30日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ7 (2)キジバト5 (3)カワセミ2♂ (4)ハシボソガラス25 (5)ハシブトガラス5
(6)シジュウカラ6 (7)ヒヨドリ6 (8)ウグイス1 (9)ムクドリ1 (10)スズメ1
(11)ハクセキレイ1 (12)ドバト6 (13)ガビチョウ1

<備考>
○カルガモの子は大池で健在!ヒヨコのような黄色みはなくなり成鳥の半分ほどの大きさまでに
 成長した。人を恐れず母親と一緒に池のふちに上がり寝ていた。
○わきみず池でカワセミの若鳥(♂)を観察する。胸から腹は墨ぽく、今春生まれた個体であろう。
 人の気配を感じてか林の中を西のあずまや池方向に飛び去る。さらに清水谷公園の池では成鳥の
 雄を観察する。水浴びの後横枝に止まり盛んに羽づくろいを繰り返してしていた。巣穴から出て
 きたのか??

<特記事項>
 今年も緑地保全地域内でアオゲラが繁殖し無事巣立つ。観察を続けていた岩井満男さんによると
 6月13日から14日早朝の巣立ちではないか、とのことだ。雄は右足に足環の付いた個体で、
 3年連続の記録になる。


△餌を運んできた足環付きの雄 6月9日 撮影:岩井満男さん
 

△巣立ち間際のヒナに餌を運ぶ雌親 6月12日 撮影:岩井満男さん


<お知らせページへ戻る>