金子凱彦の野鳥調査  111回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年1月2日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ5(3♂2♀)  (2)カルガモ13  (3)キジバト5  (4)アオゲラ1♂  (5)モズ1♂
(6)オナガ6  (7)ハシボソガラス5  (8)ハシブトガラス5  (9)シジュウカラ14± (10)ヒヨドリ6
(11)ウグイス4  (12)メジロ2  (13)ムクドリ2  (14)ルリビタキ1♀   (15)アトリ3
(16)カワラヒワ6  (17)アオジ1  (18)ドバト17  (19)ガビチョウ3


<備考>
○アオゲラが枯れた古木を盛んに叩いていた。木屑がばらばら落ちるのが見える。朝日を浴びて頭の
 赤が鮮明に見えた。雄であるが右足の足環は確認できなかった。
〇清水谷公園前の電線にモズの雄が止まり、小さな声でぐぜっていた。今冬同公園でのモズの観察は
 初めてである。
〇建築中のマンション裏の大ケヤキのてっぺんでカワラヒワを発見する。かつてここが防災広場と呼
 ばれ空き地だったころ、秋から冬にはカワラヒワの姿を見ることができた。そしてマヒワが飛んだ
 こともあったが、今となっては昔話になってしまった。
〇ケヤキの高木の樹冠部で採食しているアトリ3羽をかろうじて観察する。

●調査日 2017年1月8日 くもり

<調査結果>
(1)マガモ5(3♂1♀) (2)カルガモ16 (3)キジバト5 (4)カワセミ1♀ (5)コゲラ1
(6)モズ1  (7)ハシボソガラス8  (8)ハシブトガラス3 (9)シジュウカラ11± (10)ヒヨドリ7
(11)ウグイス1 (12)メジロ1 (13)ツグミ1 (14)ルリビタキ1♀ (15)ジョウビタキ1♀
(16)キセキレイ1 (17)アトリ4 (18)カワラヒワ10± (19)イカル20± (20))ドバト36
(21)ガビチョウ1


<備考>
○清水谷公園の池でカワセミの雌を発見するが、人の気配を感じてかすぐ奥に隠れてしまった。
 今年のカワセミは警戒心が強いようだ。
〇あずまや池東側の桜並木周辺でシジュウカラ、メジロ、コゲラ、カワラヒワ、アトリが群れていた。
〇桜並木の遊歩道わきの柵にルリビタキの雌が現れる。私の前を歩いていた岩井さんがこの雌を撮影
 する。さらにジョウビタキの雌が遊歩道に降りてくる。
〇大池の東側の大ケヤキの樹冠部でイカルが採餌していた。その後多摩平方向に移動する。

  
△カワラヒワ 1月8日         △ルリビタキ 1月8日  撮影:岩井満夫さん


●調査日 2017年1月13日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ12 (3)キジバト3 (4)カワセミ1♀ (5)モズ1♂
(6)ハシボソガラス7 (7)ハシブトガラス3 (8)ヤマガラ2 (9)シジュウカラ12 (10)ヒヨドリ5
(11)ウグイス3 (12)エナガ3 (13)メジロ10 (14)シロハラ2 (15)ツグミ3
(16)スズメ1 (17)ハクセキレイ1 (18)カワラヒワ3 (19)シメ2 (20)アオジ1
(21)ドバト28 (22)ガビチョウ5 <番外>アトリ2、カシラダカ20+


<備考>
〇昨日大池のマガモは7羽(4♂3♀)であったが、本日は雄1羽になっていた。なお夕方、池を見る
 がやはり1羽であった。
<大池のマガモの記録>
 調査を始めた07年には20羽ほどであったが(3月18日は27羽)、09年から10羽台、10年以降は1桁台
 になった。この10年で減っている。黒川清流公園の環境変化のためではではないと思うが…、減っ
 た原因は不明である。
〇わきみず池の柵にシロハラが飛来する。昨年から付近に渡来していると聞いていたが、私は初めて
 の観察である。山王下公園でガビチョウに追われていたもう1羽のシロハラを観察する。
〇シメ2羽を同時に観察する。今冬初めての記録である。

<番外>多摩平第一緑地の北側、多摩平2丁目の空き地でカシラダカ20羽ほどとアトリが採餌していた。
 アトリは時々飛び立ち道路わきのケヤキに止まる。ほかにカワラヒワ、ムクドリの姿があった。
 ここは調査区域外としてセンサスの記録に入れていない。

  
△多摩平2丁目の空き地、道路を挟んだ右側が多摩平第一緑地 1月17日撮影
近い将来ここはどのように利用されるのか?有意義に後世に残したいものです。


●調査日 2017年1月20日(大寒) くもり 寒い

<調査結果>
(1)マガモ3(2♂1♀) (2)カルガモ15 (3)キジバト7 (4)アオゲラ1 (5)モズ2
(6)ハシボソガラス1 (7)ハシブトガラス3 (8)シジュウカラ5 (9)ヒヨドリ3 (10)ウグイス1
(11)ムクドリ1 (12)ツグミ4 (13)ルリビタキ1♀ (14)ジョウビタキ1♀ (15)キセキレイ2
(16)ハクセキレイ2 (17)アトリ20± (18)ドバト28 (19)ガビチョウ1

<備考>
○桜並木でルリビタキに出会う。周辺で冬を過ごしているようだ。散歩の時もよく見る。
〇ジョウビタキが工事中のカワセミ館(環境情報センター)前や人家の庭を忙しげに移動していた。
〇あずまや池の上をアトリの群れが飛び回り(降りなかった)、北側に消えた。多摩平2丁目の空き
 地に降りたか?

●調査日 2017年1月27日 くもりのち晴れ

<調査結果>
(1)マガモ4(2♂2♀) (2)カルガモ16 (3)キジバト5 (4)コゲラ1(5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス3 (7)ヤマガラ3 (8)シジュウカラ13 (9)ヒヨドリ4 (10)ウグイス1
(11)メジロ6 (12)ムクドリ3 (13)シロハラ2 (14)ツグミ4 (15)ジョウビタキ2♀
(16)キセキレイ1 (17)ハクセキレイ1 (18)アトリ2 (19)アオジ1 (20)ドバト28


<備考>
〇ツグミ、シロハラを多々見るようになった。声も聞く。雑木林の冬を感じる。
〇清水谷公園でジョウビタキの雌を観察するが、昨年11月にはここで雄を見ている。この雄が
 本調査地ではジョウビタキの初認記録であった。
〇1月中旬より寒さが厳しくなったが(1/20大寒)、冬鳥が出そろった感じである。2月からが
 楽しみだ
<特記事項>

足環の付いたアオゲラの雄を岩井満夫さんが大池で撮影をしたので紹介します。
今年も繁殖をするでしょうか。(1月30日撮影)

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