金子凱彦の野鳥調査  112回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年2月1日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ5(3♂2♀)  (2)カルガモ17  (3)キジバト7  (4)カワウ1  (5)アオサギ1
(6)モズ2  (7)ハシボソガラス3  (8)ハシブトガラス4  (9)シジュウカラ2  (10)ヒヨドリ6
(11)ウグイス3  (12)メジロ2  (13)ムクドリ6  (14)シロハラ1  (15)ツグミ4
(16)キセキレイ2  (17)ハクセキレイ2  (18)アトリ2  (19)アオジ2  (20)ドバト6
(21)ガビチョウ2


<備考>
○清水谷公園から黒川公園方向に超低空でカワウが通過するが、すぐ戻って豊田駅方向に飛び去る。
 同時刻にアオサギが清水谷公園の池に入っていた。昨年の冬にはカワウやアオサギが保全地域内
 の池に飛来した記録が複数ある。
〇ツグミが多くなった。シロハラも大池、わきみず池、山王下公園周辺でその姿を見るようになる。
 
△わきみず池のシロハラ(2月6日)撮影:岩井満夫さん

●調査日 2017年2月10日 快晴、ただ午後からくもり小雪が舞う

<調査結果>
(1)マガモ2♂♀  (2)カルガモ16  (3)キジバト9  (4)アオゲラ1  (5)モズ2♂
(6)ハシボソガラス2  (7)ハシブトガラス2  (8)ヤマガラ2  (9シジュウカラ36  (10)ヒヨドリ5
(11)ウグイス2  (12)エナガ6+  (13)ムクドリ9  (14)シロハラ2  (15)ツグミ4
(16)ジョウビタキ1♀  (17)キセキレイ1  (18)ハクセキレイ1  (19)アトリ30±  (20)シメ1
(21))ドバト10  (22)ガビチョウ1


<備考>
○ヤマガラ2羽が行動を一緒にしていた。他にカラ類はいなかった。
〇シジュウカラは5羽、10羽、15羽の群れを観察する。落ち葉の積もった地面に降りて採食してい
 る群れもあった。
〇久しぶりにエナガの群れに出会う。大ケヤキの樹冠部を大急ぎで移動していた。
〇あずまや池わきのワサビ畑にアトリの群れが三々五々降りては水を飲んでいた。そして畑から
 一斉に飛び立つ光景は壮観である。ここは野鳥にとっては貴重な水辺である。

●調査日 2017年2月24日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ5(♂3♀2) (2)カルガモ11  (3)キジバト5  (4)カワウ1  (5)カワセミ1♀
(6)コゲラ2  (7)アオゲラ1  (8)ハシボソガラス3  (9)ハシブトガラス3  (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ6  (12)ウグイス1  (13)ムクドリ4  (14)シロハラ1  (15)ツグミ1
(16)ジョウビタキ1♀  (17)キセキレイ1  (18)アトリ15  (19)シメ1  (20)カシラダカ1
(21)アオジ2  (22)ドバト13  (21)ガビチョウ3


<備考>
〇あずまや池前の電線にカワウが止まっていた。真下を人が通っても動かない。調査終了後に
 大池に寄るとカワウがいたが、この個体であろう。
〇清水谷公園の池にカワセミが1羽飛来するが、すぐ池の奥に隠れてしまった。昨年の2月には
 2羽の行動をたびたび観察しているが、今年はまだ単独である。
〇コゲラが2羽一緒に行動していた。ペアであろう。
〇わきみず池わきの湧水にアトリが次々に降りては水を飲んでいたが、短時間で西の方に去っ
 てしまった。同時に池わきの木でシメ、カシラダカの姿を見る。
〇人気のない桜並木の地面でアオジ2羽が採食しているとジョウビタキも姿を現した。ただルリ
 ビタキには会えなかった。
 
 △わきみず池のアトリたち(2月17日)撮影:岩井満夫さん

●調査日 2017年2月28日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂3♀)  (2)カルガモ9  (3)キジバト6  (4)ハシボソガラス3  (5)ハシブトガラス3
(6)シジュウカラ6  (7)ヒヨドリ2 (8)ウグイス4  (9)メジロ5  (10)ムクドリ3
(11)ツグミ1  (12)ツグミ3  (13)キセキレイ1  (14)アトリ20±  (15)アオジ2
(16)ドバト24  (17)ガビチョウ1

<備考>
○マガモの雌が3羽になった。今冬初めてである。最近はペア2組、雄1羽が多かった。
〇ひょうたん池と大池の中間で、ハシボソガラスがコナラの高木に作った巣に出入りしていた。
 大池周辺にテリトリーをもつハシブトガラスが鳴きながらこの巣に近寄るが、コーポラスに方
 向を飛び去る。その間ハシボソが離れた所で盛んに鳴いていた。
〇アトリはまだ健在、群れがわきみず池の水場に降りる。いつまで観察できるか興味ある。ちな
 みにアトリが多かった2009年の終認は2月9日の30羽であった。

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