金子凱彦の野鳥調査  113回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年3月5日 (啓蟄)晴れ

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂3♀)  (2)カルガモ11  (3)キジバト10  (4)コサギ1  (5)カワセミ1♀
(6)コゲラ1  (7)アオゲラ1  (8)モズ3♂  (9)ハシボソガラス5  (10)ハシブトガラス4
(11)シジュウカラ17  (12)ヒヨドリ5  (13)ウグイス1  (14)エナガ4  (15)メジロ3
(16)ムクドリ3  (17)シロハラ2  (18)ツグミ6  (19)ホオジロ1  (20)アオジ2
(21)ドバト15  (22)ガビチョウ2


<備考>
○大池やわきみず池および周辺の水路でコサギが採食していた。水路のわきを人が通っても飛び立
 たない。2月下旬からたびたび姿を見るようになる。
〇清水谷公園の池でカワセミを発見するが、すぐに奥へ隠れてしまった。
〇大池の東側でモズの雄①、あずまや池の東側のネザサが刈り込まれた斜面で同じく雄②、山王下
 公園の北側刈り込まれた斜面で同じく雄③を観察する。雌の姿は発見できなかった。すでに2羽一
 緒を見たとの話も聞いたのだが…。なお②と③は同じ個体か?(同じテリトリーか?)今後調べる
 必要がある。
〇ウグイスは笹鳴き(地鳴き)であった。
〇2羽で行動しているエナガを3か所で観察した。ペアであろう。本調査地では毎年繁殖をしている。
〇山王下公園から豊田駅方向に飛ぶホオジロ1羽を観察する。本種は黒川ではいたって珍しい鳥にな
 ってしまった。なお昨年の3月16日にも山王下公園でホオジロを観察している。移動の途中寄るの
 であろうか。

●調査日 2017年3月12日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ8(4♂4♀)  (2)カルガモ12  (3)キジバト7  (4)ツミ1  (5)アオゲラ1
(6)モズ4(2♂1♀)  (7)ハシボソガラス5  (8)ハシブトガラス4  (9シジュウカラ3
(10)ヒヨドリ5 (11)ウグイス2  (12)メジロ1  (13)ムクドリ4  (14)ツグミ5
(15)キセキレイ1 (16)アトリ50±  (17)ドバト8  (18)ガビチョウ2


<備考>
○多摩平側からコーポラス屋上を中央線方向に横切るツミを観察する。ツミは久しぶりである。
〇山王下公園の北側斜面に積み上げられた古木の上でモズの雌が鳴いていた。そして西側に飛ぶ、
 双眼鏡で追うとその先に雄がいた。ただ人家の陰になり雌の姿は見えなくなってしまったが、
 ペアになったのであろう。
〇やっと?ウグイスの囀りを聞く。もう1羽は地鳴きであった。
〇50羽ほどのアトリの群れが落ち葉の積もった林床に降りては舞い上がり、また降りるのを繰
 り返していた。そろそろ北国に帰るのであろう綺麗な夏羽の雄もいた。前回のアトリの飛来
 記録によると終認は2009年2月9日の50羽であった。以後黒川ではアトリの記録は今冬までな
 かった。

●調査日 2017年3月17日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ6(♂3♀3) (2)カルガモ4  (3)キジバト6  (4)アオサギ1  (5)モズ1♂
(6)ハシボソガラス3  (7)ハシブトガラス3  (8)シジュウカラ14 (9)ヒヨドリ6  (10)ウグイス1
(11)メジロ2  (12)ムクドリ2  (13)ツグミ1  (14)キセキレイ1  (15)アトリ3
(16)アオジ3  (17)ドバト32  (18)ガビチョウ4


<備考>
〇ひょうたん池と大池の間でモズの雄が活発に動いていたが、雌は発見できまかった。もう
 ペアができていると思うのだが…。
〇清水谷公園の池でこの2、3日アオサギの姿を見る。本日も池のふちで休息していた。
〇本調査地内でハシボソガラス、ハシブトガラスが入巣中。
〇本日もアトリの姿を見る。

●調査日 2017年3月23日 くもり

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂3♀)  (2)カルガモ10 (3)キジバト10  (4)ツミ2  (5)カワセミ1♀
(6)アカゲラ1♂ (7)モズ1♂  (8)ハシボソガラス4  (9)ハシブトガラス3 (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ5 (12)ウグイス2  (13)エナガ2  (14)メジロ2  (15)ムクドリ4  (16)ツグミ1
(17)ドバト26  (18)ガビチョウ2

<備考>
○大池周辺からツミの声が聞こえてきた。付近を探していると2羽がコーポラス屋上を通り
 中央線方向へ飛んだ。
〇清水谷公園池のカワセミ(雌)は警戒心が強く、私の気配を感じるとすぐさま奥に姿を隠
 してしまった。まだ1羽でいるのか?
〇多摩平第6公園でウグイスの囀りを聞く。もう1か所は地鳴きであった。


△仲睦まじいモズのペア(手前が雄) 大池 3月19日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2017年3月30日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ2♂♀  (2)カルガモ6 (3)キジバト5  (4)コサギ1  (5)ツミ1♀  (6)モズ1
(7)ハシボソガラス4  (8)ハシブトガラス3  (9)シジュウカラ9  (10)ヒヨドリ6
(11)ウグイス3  (12)ムクドリ2  (13)シロハラ1  (14)ドバト21  (15)ガビチョウ4

<備考>
〇マガモは2羽になる。3/17~3/26は6羽(3♂3♀)、3/27~3/29は4羽(2♂2♀)そして本日
 は2羽である。そろそろ終認か。

<追記>3月31日の朝マガモの姿がなかった。以後なく終認は上記の3月30日になった。
〇カルガモは大池、わきみず池、あずまや池で各2羽であった。各々の縄張りが決まったよう
 だ。
〇黒川公園わきの電線にコサギが止まって下を見ていた。最近水路で餌を取っているコサギの
 姿をよく見る。きれいな繁殖羽であった。
○木の横枝に止まりツミが小鳥を盛んに食していた。雄の姿は見当たらなかった。

<特記事項>アカゲラとヤマシギ
〇3月4日にわきみず池周辺で岩井満夫さんがアカゲラを撮影したが、翌5日(本調査日)には
 確認できなかった。本会員の藤田淳子さんも1月23日に本種を観察している。
〇2月12日に藤田さんがわきみず池周辺でヤマシギを観察する。私も注意をして観察していた
 が出会うことがなかった。一昨年も付近でヤマシギの観察の情報があった。

 
△アカゲラ(全長23.5cm) 3月4日 撮影:岩井満夫さん