金子凱彦の野鳥調査  114回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年4月2日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト6 (3)カワウ1 (4)ツミ1♀ (5)カワセミ2♂♀
(6)コゲラ1 (7)アオゲラ1♂ (8)モズ1♂ (9)ハシボソガラス5 (10)ハシブトガラス2
(11)ヤマガラ2 (12)シジュウカラ6 (13)ヒヨドリ9 (14)ウグイス3 (15)メジロ2
(16)ムクドリ3 (17)シロハラ1 (18)ツグミ1 (19)シメ1 (20)ドバト17


<備考>
○清水谷公園の池からカワウが飛び立つ。
〇ツミを多々観察するようになる。
〇カワセミのペアを観察する、定着するか?
〇清水谷公園でモズの雄を観察する。ここは3月12日にペアを観察した所に隣接して
 おり、付近での繁殖の可能性がある。昨年もここで繁殖をした。
 

△アオゲラの雄の右足に足環が見える 4月2日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2017年4月12日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト8 (3)カワセミ1♂ (4)アオゲラ1♂ (5)モズ2(1♂)
(6)ハシボソガラス3 (7)ハシブトガラス2 (8)シジュウカラ5 (9)ヒヨドリ13 (10)ウグイス3
(11)メジロ1 (12)ドバト10  (13)ガビチョウ4


<備考>
○久しぶりにカワセミの雄に出会う。嘴にべったり土が付いていた。
〇アオゲラの雄が古巣の入り口周辺を盛んに掘っていた。雌雄2羽同時にここに飛来し
 たとも聞くが…。今年も本調査地内で営巣するであろうか。
〇餌を探しているモズの雄を見るが、餌運びはしていなかった。
〇ウグイス鳴き声は①大池周辺 ②わきみず池~あずまや池 ③清水谷公園の3か所で
 あった。

<特記事項>
4月7日、8日と2日間ヒレンジャク9羽が飛来するが、短期間で去ってしまった。私は8日
に第2コーポラス前で観察をする。
 

△ヤドリギに飛来したヒレンジャク 4月7日  撮影:岩井満夫さん

●調査日 2017年4月16日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト7 (3)カワセミ1♀ (4)アオゲラ1 (5)モズ1♂
(6)ハシボソガラス3 (7)ハシブトガラス2 (8)シジュウカラ14± (9)ヒヨドリ9 (10)ウグイス3
(11)ムクドリ2 (12)ツグミ1 (13)スズメ1 (14)シメ1 (15)ドバト12


<備考>
〇清水谷公園の池でカワセミの雌を観察する。この雌は池から中央線方向に飛び去る。
〇大池の東側でモズの雄を2回観察するが、雌の姿はなかった。
〇若葉の出た高木(ニセアカシア、コナラ)の樹冠部でシジュウカラの10羽ほどの群れ
 に出会う。若鳥たちではない。
〇山王下公園の杭にツグミが飛来する。胸をそらし朝日を浴びていた。
〇新しく出来たマンションの裏で、地面から桜の木に飛び移ったシメを確認する。まだ
 いたのかとじっくり観察をした。

●調査日 2017年4月22日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト6 (3)カワセミ2♂ (4)アカゲラ1 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス4 (7)シジュウカラ7 (8)ツバメ5 (9)ヒヨドリ12 (10)ウグイス1
(11)ムクドリ7  (12)ドバト17  (13)ガビチョウ2

<備考>
○ごく短時間で清水谷公園の池と大池でカワセミの雄を観察するが同一個体かは不明、
 別個体の可能性もある。
〇第1コーポラス屋上周辺飛ぶツバメを観察する。さらに清水谷公園の池上空でも旋
 回していた。春到来!!豊田駅ではツバメを多く見かけるようになった。
〇中央線方向から飛来したヒヨドリ7羽が鳴きながら第1コーポラス東側を通過し北
 側の多摩平方向に消えた。春の渡りである。近年春の記録は極まれになった。

●調査日 2017年4月29日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ8 (2)キジバト5 (3)アオサギ1 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)モズ1♂ (7)ハシボソガラス3 (8)ハシブトガラス4 (9)ヤマガラ1 (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ5 (12)ムクドリ10 (13)ハクセキレイ1 (14)シメ10+ (15)ドバト20
(16)ガビチョウ5

<備考>
〇黒川公園沿いの人家の屋根でアオサギが休息し、羽繕いをしていた。
〇清水谷公園でヤマガラを観察する。餌運び等を期待?したが、せっせと1羽で採食
 していた。
〇久しぶりに第1コーポラス前の車道でハクセキレイを確認する。今月2回目の目撃
 であるが、付近で今年も繁殖するのか?
〇大池東側の高木(ケヤキ、サクラ)の樹冠部で採食しているシメの群れに出会う。
 東に移動する。ひょうたん池のふちに2羽が降りるが、水面とふちの間が高くて
 下に降りられず、あきらめて飛び去った。この群れは移動の途中黒川に寄ったの
 であろう。
(註)シメは北海道や本州中部以北で繁殖し、冬鳥として本州以南に渡来する。

<特記事項>
岩井満夫さんが4月24日にヤマガラの給餌行動を撮影したので紹介をする。今まで
本調査地におけるヤマガラの営巣の確証がなかったが(巣材運びは目撃したが…)、
今回黒川での繁殖が確認された。


△口いっぱいに餌を運んできた親鳥
 

△左上がヤマガラの親鳥で下が親を追う幼鳥