金子凱彦の野鳥調査  117回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年7月4日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト3 (3アオサギ2(OH) 4)ハシボソガラス4 (5)ハシブトガラス3
(6)シジュウカラ12 (7)ヒヨドリ6 (8)ムクドリ100± (9)コジュケイ1 (10)ドバト22
(11)ガビチョウ3


<備考>
○カルガモの幼鳥6羽は健在。
〇アオサギは上空通過。
〇わきみず池でケヤキの樹冠部から隣のケヤキへ次から次へと移動するシジュウカラの群
 れを観察する。幼鳥が混じっているようだが…、ファミリーか?
〇あずまや池周辺から南側の住宅地の電線やTVアンテナにムクドリの群れが飛び交う。100
 羽ほどまで数えた。本調査地でこれほどの数を記録したことはない。
 
 
 △コジュケイ 黒川清流公園(7月5日) 撮影:岩井満夫さん
 

●調査日 2017年7月9日 快晴

<調査結果>
(1)カルガモ8 (2)キジバト3 (3)アオゲラ1 (4)ハシブトガラス5 (5)ハシブトガラス5
(6)シジュウカラ2 (7)ツバメ1 (8)ヒヨドリ6 (9)ムクドリ42± (10)コジュケイ1
(11)ドバト5 (12)ガビチョウ2


<備考>

〇アオゲラの声を聞くが営巣等は不明。
〇林内で羽を振るわせ餌ねだりをするハシブトガラスの幼鳥2羽を観察する。
〇多摩平第一緑地わきの電線に止まるハシボソガラスの幼鳥1羽が、羽を振るわせながら
 並んでいる成鳥に近づいた。親子であろう。
〇多摩平側から山王下公園上を飛ぶツバメを観察する。100メートルほど西の豊田駅周辺で
 はツバメが営巣中であるが(現在6カ所ほど)、餌はもっぱら巣に近い駅前のビルや道路
 で捕っており、緑地までは姿を現さない。緑地は飛ぶ虫の供給源として重要であるが直接
 の餌場ではないようだ。

●調査日 2017年7月22日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト2 (3)アオサギ1(OH) (4)アオゲラ1 (5)ハシボソガラス3
(6)ハシブトガラス3 (7)シジュウカラ2 (8)ツバメ2 (9)ヒヨドリ5 (10)ムクドリ30±
(11)スズメ1 (12)ドバト7 (13)ガビチョウ3


<備考>
〇カルガモの幼鳥6羽は元気でいる。まだ飛べないようだ。
〇多摩平第6公園から多摩平側の上空を旋回するツバメを観察する。

<特報>
岩井満夫さんが黒川清流公園でアオゲラのファミリーを撮影した。今年は営巣場所を特定
できなかったが(推定した場所はあったが、近寄れなかった)幼鳥たちが巣立った。
 
       
  △アオゲラ幼鳥の雄 7月20日    △アオゲラ幼鳥の雌  7月21日 
 ※アオゲラは黒川清流公園から東の神明野鳥公園や市役所前の中央公園を行動圏としている。
  雌の幼鳥は中央公園で確認された。

 
 △右足に足環の付いた成鳥の雄(左)と幼鳥(右) 7月24日 撮影:岩井満夫さん
 ※足環付の雄の繁殖はこれで4年連続になる。


●調査日 2017年7月28日 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト1 (3)アオゲラ2+ (4)ハシボソガラス1 (5)ハシブトガラス3
(6)シジュウカラ1 (7)ツバメ1 (8)ヒヨドリ7 (9)ドバト5 (10)ガビチョウ5

<備考>
〇カルガモの親子健在、幼鳥6羽は母親と変わらぬ大きさに成長している。いつ黒川の池
 を離れるのか?
〇幼鳥たちであろうアオゲラの声を聞く。