金子凱彦の野鳥調査  120回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2017年10月2日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ20  (2)キジバト7  (3)ゴイサギ1  (4)モズ1  (5)ハシボソガラス5
(6)ハシブトガラス2  (7)シジュウカラ2  (8)ヒヨドリ6  (9)キセキレイ2  (10)ドバト25


<備考>
○山王下公園の草に覆われた水路でゴイサギの幼鳥を発見する! 私を警戒していたので
 すぐ公園から出た。
〇ひょうたん池とあずまや池で今秋初めてキセキレイを観察する。昨年(16年)の飛来は
 10月4日の2羽であった。黒川公園では現在冬鳥であるが、かつては留鳥で繁殖していた
 時代があった。
 
 △キセキレイ ひょうたん池にて(10月1日)撮影:岩井光夫さん

●調査日 2017年10月6日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ21  (2)キジバト3  (3)カワセミ1  (4)コゲラ3  (5)モズ2  (6)ハシボソガラス3
(7)ハシブトガラス2  (8)ヤマガラ8  (9)シジュウカラ29±  (10)ヒヨドリ29± (11)メジロ3
(12)キセキレイ2  (13)ドバト34  (14)ガビチョウ1


<備考>

〇第1コーポラス屋上の避雷針でモズが鳴いていた。屋上のさらに高い所である、さぞ見晴
 らしがよいであろう。天下を取った気分?
〇秋の到来を感じるコゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロの小さな混群に出会う。まだ
 林内は紅葉していないが小鳥たちは冬支度を始めているのであろう。
〇清水谷公園の北側(多摩平側)をヒヨドリ20羽ほどが西方向に飛ぶ、秋の渡りである。


●調査日 2017年10月12日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ1♂  (2)カルガモ16  (3)キジバト6  (4)モズ3  (5)ハシボソガラス7
(6)ハシブトガラス1  (7)ヤマガラ9  (8)シジュウカラ24±  (9)ヒヨドリ48 (10)エナガ5
(11)スズメ5  (12)キセキレイ2  (13)ドバト12  (14)ガビチョウ1  


<備考>
〇昨日(11日)大池にエクリプス(非繁殖羽)のマガモの雄が姿を現す。初認である。昨年
 (16年)は10月24日(雄4羽)で、15年は10月11日(雄1羽)、14年は10月13日(雄1羽)で
 あった。
〇わきみず池わきの木立をシジュウカラ20羽ほどが東に移動していた。ヤマガラ、エナガ、
 コゲラが混じる。
 
 △マガモの雄・初認(10月11日) 撮影:岩井満夫さん


●調査日 2017年10月18日 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ3(2♂1♀)  (2)キジバト1  (3)モズ3  (4)ハシボソガラス5  (5)ハシブトガラス2
(6)ヤマガラ4  (7)シジュウカラ20  (8)ヒヨドリ106±  (9)スズメ5  (10)キセキレイ1
(11)ドバト42  (12)ガビチョウ2


<備考>
〇大池のマガモは3羽になる。雨が続いたためかカルガモの姿がなかった。なお昼過ぎにな
 っても大池にカルガモは帰って来なかった。
〇マンションの植え込みのエゴノキでヤマガラを度々見るようになる。
〇長雨が続いたあとの本日の晴天である、期待したヒヨドリの渡りを観察できた。10~20羽
 の群れが雑木林の稜線を西へ、豊田駅北口方向に飛んでいた。林内でもヒヨドリの群れの
 騒がしい声を聞く。

 
 △マガモの雄(手前の2羽)と雌(10月18日) 撮影:岩井満夫さん



●調査日 2017年10月31日 くもり

<調査結果>
(1)マガモ6(4♂2♀)  (2)カルガモ21  (3)キジバト2  (4)カワセミ2~3  (5)コゲラ2
(6)アオゲラ1  (7)モズ2  (8)ハシボソガラス5  (9)ハシブトガラス4  (10)ヤマガラ3
(11)シジュウカラ20±  (12)ヒヨドリ15  (13)メジロ3  (14)キセキレイ2  (15)ハクセキレイ1
(16)ドバト18  (17)ガビチョウ2


<備考>
〇清水谷公園の池でカワセミ1羽がもう1羽を追う。追われた個体は池奥に逃げる。追っていた
 個体は池に突き出た枝に止まる。雌であった。5分ほど枝にいたが、もう1羽は姿を現さなか
 った(池から去った?)。冬のテリトリー争いか。なおセンサス終了後、上記の池での関係
 は不明であるが、わきみず池でカワセミの飛翔を見る。
〇第2コーポラス東わきの柿の木でシジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラが熟した柿を食し
 ていた。ときにヒヨドリが飛来して小鳥たちを追っ払う。
〇前回と比べヒヨドリは激減した。