金子凱彦の野鳥調査 第125回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
＜調査地とコース＞
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、１９７５年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田３丁目、多摩平２丁目、７丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第６公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が４カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス（2017年4月OPEN）、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第６公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7ｋｍのコースを１時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。
▲黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成
●調査日 2018年3月5日 くもり
＜調査結果＞
（１）マガモ２♂♀ （２）カルガモ１２ （３）キジバト１ （４）アオサギ１ （５）ハイタカ１
（６）カワセミ１♂ （７）モズ２♂♀ （８）ハシボソガラス９ （９）シジュウカラ８ （１０）ヒヨドリ９
（１１）ヒレンジャク１２ （１２）ムクドリ６ （１３）ツグミ１ （１４）スズメ２ （１５）ドバト５
＜備考＞
〇多摩平側の大ケヤキのヤドリギで採食していたレンジャクが一斉に飛び立つ、それをハ
イタカが追った。
〇清水谷公園の池に雄のカワセミが姿を現す。前回（2/26）はあずまや池で雌の姿を見て
いる。
〇多摩平第3緑地でモズの雌雄を観察する、ペアになったのであろう。
〇3月に入り連日のようにレンジャクが飛来する。3月3日は15羽ほどであったと聞く。本日
はハイタカに追われた12羽を確認した。
△ヒレンジャク 撮影：岩井満夫さん
●調査日 2018年3月17日 快晴
＜調査結果＞
（１）マガモ２♂♀ （２）カルガモ１０ （３）キジバト９ （４）モズ１♂ （５）ハシボソガラス９
（６）ハシブトガラス３ （７）ヤマガラ２ （８）シジュウカラ８ （９）ヒヨドリ８ （１０）ウグイス１
（１１）ツグミ２ （１２）スズメ７ （１３）キセキレイ１ （１４）シメ１ （１５）アオジ２
（１６）ドバト１０
＜備考＞
〇モズの雄を観察するが、雌の姿はなかった。営巣中？
〇ヤマガラは2羽での行動であった。
〇本調査地（東豊田緑地保全地域）内の広域で下草刈が行われ、ガビチョウの声を聞かなく
なったが、ウグイスの囀りを聞くことができた。黒川公園近くに住んでいる方によると昨
日(3/16)初めて声を聞いたとのことである。
〇あずまや池のワサビ畑でツグミ、キセキレイ、シメを観察する。
●調査日 2018年3月24日 晴れ
＜調査結果＞
（１）マガモ３（１♂２♀） （２）カルガモ１０ （３）キジバト２ （４）アオサギ１（OH）（５）モズ１♂
（６）ハシボソガラス３ （７）ハシブトガラス２ （８）シジュウカラ４ （９）ヒヨドリ４ （１０）ウグイス１
（１１）ムクドリ３ （１２）ツグミ１ （１３）スズメ１ （１４）キセキレイ１ （１５）ドバト４
＜備考＞
〇大池のマガモは3月11日から姿を見なくなり、本日はあずまや池の3羽であった。
＜追記＞翌日の25日からあずまや池でもマガモを見なくなった。黒川公園の終認は3月24日に
なる。ちなみに昨年は大池で3月30日であった。
〇大池北側の斜面でウグイスの声が聞こえた。かろうじて残されたネザサの斜面である。
△ウグイスは斜面に残る藪（右の写真）で鳴いていた。左の写真は右の写真から続く斜面で、
見事に丸坊主にされている。藪を好む鳥たちはどこに行ってしまったのだろう。赤い看板に
は「鳥獣保護区」と記されている。
●調査日 2018年3月29日 晴れ
＜調査結果＞
（１）カルガモ８ （２）キジバト６ （３）カワセミ１♀ （４）アオゲラ２♂♀ （５）ハシボソガラス１０
（６）ハシブトガラス２ （７）シジュウカラ８ （８）ヒヨドリ８ （９）ウグイス１ （１０）ムクドリ５
（１１）ツグミ２ （１２）スズメ３ （１３）キセキレイ１ （１４）ドバト５
＜備考＞
〇大池にカワセミの雌が飛来する。昨日も姿を見せていた。
〇アオゲラのペアが林内をゆっくりと移動していた。時には木の根元に降りることもある。
なお昨日の夕方にもアオゲラのペアを見ている。
〇黒川公園と多摩平第6公園でツグミを観察するが、薄暗い藪を好むシロハラは2月19日以
来記録がない。
△満開のコブシ（左）と右は開花した桜並木（3月26日）。中央部のヤドリギ（緑の球形）
には年明けから3月8日までレンジャクSPがたびたび飛来した。