金子凱彦の野鳥調査 第126回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。
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黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成
●調査日 2018年4月4日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト5 (3)ハシボソガラス5 (4)ハシブトガラス2 (5)シジュウカラ8
(6)ヒヨドリ15(7)ウグイス2 (8)ムクドリ3 (9)スズメ1 (10)キセキレイ1
(11)ドバト8
<備考>
〇ウグイスの囀りを2か所で聞くことができた。
※本調査では3月17日に初めて囀りを聞き、以後たびたび聞くが、今回を最後にウグイス
を確認することができなくなった。
〇湧水で採食しているキセキレイを久しぶりに観察する。
〇4月初めてのセンサスであったが、いたって鳥が少なかった。
<参考>
昨年(17年)4月2日20種、16年4月11日16種、15年4月6日18種。今年は常連のガビチョウ
がいない。
●調査日 2018年4月10日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト5 (3)ハシボソガラス2 (4)ハシブトガラス2 (5)シジュウカラ7
(6)ヒヨドリ17(7)ムクドリ7 (8)シロハラ1 (9)ツグミ2 (10)スズメ2
(11)アオジ2 (12)ドバト9
<備考>
〇久しぶりにシロハラに出会う。春になると黒川ではツグミより早く姿を消す。
〇アオジにも久しぶりに会う、そろそろ山に帰るであろう。
●調査日 2018年4月13日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト4 (3)ハシボソガラス3 (4)ハシブトガラス3 (5)シジュウカラ4
(6)ツバメ5 (7)ヒヨドリ18(8)ムクドリ5 (9)ツグミ1 (10)ハクセキレイ1
(11)マヒワ30± (12)ドバト25 (13)ガビチョウ2
<備考>
〇黒川緑地上空から第3コーポラス~第2コーポラス上を春の使者ツバメが忙しげに飛んで
いた。4月になり豊田駅周辺では多数のツバメを見るようになる。なお初めて駅で姿を見
たのは4月1日であった。昨年より早かった。
〇黒川で50羽から100羽ほどのマヒワの群れを観察したと、昨日(4/12)岩井さんから聞く。
本日、私は緑地周辺を舞う30羽ほどのマヒワを観察することができた。なお翌14日には
黒川で本種を観察することはなかった。移動の途中大きな群れが寄ったのであろう。
〇久しぶりにガビチョウの姿を見る。鳴くことはなかった。
△マヒワの群れ 4月12日 撮影:岩井満夫さん
●調査日 2018年4月22日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト4 (3)オオタカ1 (4)カワセミ1♀ (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス4 (7)シジュウカラ5 (8)ヒヨドリ3 (9)ムクドリ4 (10)シロハラ1
(11)ツグミ1 (12)スズメ1 (13)ハクセキレイ2 (14)コジュケイ1 (15)ドバト3
(16)ガビチョウ2
<備考>
〇黒川公園のわきみず池や大池でカワセミの雌をたびたび見るようになる。ただ営巣等に付
いてはまったく不明である。どこからやって来るのか?
〇冬鳥のシロハラ、ツグミを観察するがそろそろ終認であろう、ただツグミは5月の連休ま
で観察することもある。
〇ハクセキレイは近くの建物営巣しているようだ。
〇久しぶりにコジュケイの声を聞くが定着しているのか?
△わきみず池(左)と大池(右)のカワセミの雌、共に4月20日 撮影:岩井満夫さん
〇移動途中のイカルやシメが今の季節黒川公園に姿を現す。岩井さんが両種を同時に
撮影したので紹介をする。
△わきみず池の湧水に水浴びに立ち寄ったシメ(左)とイカル(右) 4月30日
撮影:岩井満夫さん