金子凱彦の野鳥調査  135回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2019年1月7日(月) 快晴

<調査結果>
(1)マガモ10(5♂5♀)(2)カルガモ21 (3)キジバト3 (4)アオゲラ1 (5)モズ1♀
(6)ハシボソガラス2 (7)ヤマガラ2 (8)シジュウカラ23 (9)ヒヨドリ16 (10)エナガ4
(11)ジョウビタキ1♂ (12)ハクセキレイ1 (13)アトリ30± (14)シメ1 (15)ドバト7
(16)マルガモ(マガモとカルガモの雑種)1

<備考>
〇あずまや池東側の斜面前の木立でモズの雌を観察する。昨秋からの個体であろう。黒川
 公園で越冬しているのはこの1羽だけである。
〇わきみず池のハンノキでシジュウカラ5羽、エナガ2羽、ヤマガラ2羽を見る。本日は
 シジュウカラの小さな群れにたびたび出合った。
〇あずまや池でアトリ30羽ほどを観察する。

<特記事項>

△足環の付いたアオゲラの雄 1月10日 撮影:岩井満夫さん 
この雄は2013年11月から黒川公園で観察されており、繁殖もしている。

●調査日 2019年1月9日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(4♂5♀)(2)カルガモ19 (3)キジバト4 (4)カワウ1 OH※ 上空通過 (5)トビ1
(6)コゲラ1 (7)ハシボソガラス2 (8)ヤマガラ3 (9)シジュウカラ12 (10)ヒヨドリ17
(11)ウグイス1 (12)メジロ7 (13)ハクセキレイ1 (14)マルガモ1

<備考>

〇カワウ1羽が黒川上空を多摩平方向から南にゆっくり飛ぶ。
〇あずまや池上空をトビがゆっくりゆっくり西方向に飛び去った。


●調査日 2019年1月14日(月) 晴れ、成人式

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂♀3) (2)カルガモ23 (3)キジバト1 (4)モズ1♀ (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス3 (7)シジュウカラ18 (8)ヒヨドリ8 (9)エナガ4 (10)ハクセキレイ1
(11)アトリ3 (12)カシラダカ30± (13)ドバト4


<備考>
〇あずまや池でカシラダカの群れを観察する。水の涸れたわさび畑で採食していたようで、
 一斉に北側斜面の藪に飛び立った。本種が群れていると聞いていたが、今冬初めて観察す
 ることができた。素敵な冬の風物詩だ。
 ⇒風物詩といえばツグミの姿を見ない、それと毎年常連のシロハラ(共にツグミ科)の姿
 もない。ツグミは岩井さんが12月31日に撮影しているが、それ以来黒川で観察の記録は
 ない。
〇第2コーポラス北側の湧水は昨年の12月20日ごろより枯渇している。この湧水の西側
 でモズの雌を見る。あずまや池周辺からテリトリーを持つ個体であろう。

<枯渇した湧水>

△1月4日 写真奥が水源で手前に水が流れ、水路に入るのだが…

●調査日 2019年1月22日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(4♂5♀)(2)カルガモ21 (3)キジバト5 (4)アオゲラ1♂ (5)ハシボソガラス4
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ5 (8)シジュウカラ7 (9)ヒヨドリ7 (10)エナガ2
(11)ムクドリ15 (12)ハクセキレイ1 (13)アトリ35± (14)シメ1 (15)カシラダカ3
(16)ドバト4 (17)マルガモ1


<備考>
〇シジュウカラ2羽、コゲラ1羽と一緒に行動しているエナガ2羽を観察する。今冬エナ
 ガにやっと会えた感がある。

<特記事項>
1月20日(日)の日野の自然を守る会主催「黒川清流公園ニューイヤーカウント2019」で
今冬東豊田保全緑地地域で記録が少ない(なかった)鳥が観察されたので報告をする。
〇シロハラが清水谷公園で2羽以上観察される。黒川清流公園には毎年渡来する冬鳥であ
 るが、今年は記録がない。
〇山王下公園でツグミが観察される。本種も常連の冬鳥であるが今年黒川では1回しか記
 録がない。
〇多摩平第3緑地でモズの雄を観察する。本緑地での観察は今冬初めてである。この第3
 緑地から東へ200mほど離れたであずまや池で同時にモズの雌が撮影された。そろそろ
 恋の季節である。

△モズの雄(多摩平第3緑地) 1月20日AM9:49 撮影:柿山満雄さん
 

△モズの雌(あずまや池) 1月20日AM9:53 撮影:岩井満夫さん

<特記事項>
2月5日の東豊田緑地保全地域のセンサスの折、上記の多摩平第3緑地でモズの追尾行動を
観察する。ただ緑地は林床部分がすべて刈り取られ丸坊主である。木々の葉がでていない
早春の黒川公園では、背の高いネザサを利用してモズは繁殖していたが、ここにはネザサ
一本ない。

●調査日 2019年1月30日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ10(5♂5♀)(2)カルガモ20 (3)キジバト7 (4)ハシボソガラス1 (5)ハシブトガラス1
(6)シジュウカラ9 (7)ヒヨドリ7 (8)メジロ1 (9)ムクドリ2 (10)シロハラ2
(11)ジョウビタキ1♂ (12)アトリ8 (13)シメ2 (14)カシラダカ21 (15)ドバト5
(16)マルガモ1


<備考>
〇わきみず池と清水谷公園でシロハラを観察する。緑地保全地域に定着したようであるが、
 ツグミの姿は見られなかった。
〇あずまや池わきでジョウビタキをじっくり観察する。カワセミハウス周辺の雄である。
〇あずまや池斜面にずらりとカシラダカが並んでいた、時々地面に降りては採食していた。