金子凱彦の野鳥調査  134回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2018年12月3日(月) くもり

<調査結果>
(1)マガモ5(2♂3♀)(2)カルガモ22 (3)キジバト2 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)ハシボソガラス3 (7)シジュウカラ10 (8)ヒヨドリ26± (9)メジロ8 (10)ムクドリ1
(11)スズメ2 (12)キセキレイ1 (13)シメ1 (14)アオジ1 (15)ドバト7
(16)マルガモ(マガモとカルガモの雑種)1

<備考>
〇アオゲラの声を久しぶりに聞く。岩井さんは12月1日に2羽(雌雄?)を観察したとの
 ことである。
〇青空に突き出た高木(葉はすべて落ちている)のてっぺんにシメが止まっている。
 前回(11/27)と同じ枝であった。
〇あずまや池東側の桜並木で私はやっと?アオジを確認する。

△アオジ あずまや池にて 12月1日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2018年12月8日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ7(4♂♀3) (2)カルガモ16 (3)キジバト1 (4)コゲラ2 (5)ハシボソガラス6
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ1 (8)シジュウカラ16+ (9)ヒヨドリ22 (10)メジロ5
(11)キセキレイ2 (12)ドバト6 (13)マルガモ1


<備考>

〇わきみず池でコゲラを2羽同時に観察する、シジュウカラも10羽ほど池に飛来したが
 コゲラとは別々の行動であった。
〇大池わきのエゴノキにヤマガラ1羽が飛来するが、南側の人家の方にすぐ戻ってし
 まった。エゴの実はなくなっているようだ。
〇水路にキセキレイが飛来すると、水路わきで採食していたもう1羽のキセキレイがこ
 のキセキレイを追い回し、コーポ屋上から中央線方向にまで追って行った。30秒ほ
 どで再び水路に戻って来た。黒川公園を縄張りにしているのか?


●調査日 2018年12月18日(火) 快晴

<調査結果>
(1)マガモ7(3♂4♀) (2)カルガモ18 (3)コゲラ2 (4)アオゲラ1 (5)モズ1
(6)ハシボソガラス2 (7)ハシブトガラス1 (8)ヤマガラ2 (9)シジュウカラ18+ (10)ヒヨドリ9
(11)メジロ3 (12)キセキレイ1 (13)ハクセキレイ1 (14)アトリ3(2♂1♀ (15)カワラヒワ7
(16)ドバト5 (17)マルガモ1


<備考>
〇下草が刈り込まれた斜面からモズが飛び立つが、その後姿を確認できなかった。
〇かろうじて残っている柿の実の周辺にシジュウカラ10、ヤマガラ2、メジロ3、
 コゲラ2、そしてアトリの姿を見る。さらに高木の樹冠部にカワラヒワ7羽を見る。
 青空をバックにそれぞれ綺麗に見えた。
<アトリの記録>
12月 5日 本会会員の村岡明代さんが大池で13羽観察する(初認)。
12月15日 岩井満夫さんが10羽ほどをわきみず池で観察する。
※12月18日センサス終了後、第一コーポ屋上から雑木林上空を舞う20羽ほどの小鳥の
 群を、遠方からら肉眼で見る。アトリと思うが…、不明。

●調査日 2018年12月25日(火) 快晴

<調査結果>
(1)マガモ8(4♂4♀) (2)カルガモ22 (3)キジバト2 (4)コゲラ1 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス1 (7)シジュウカラ11 (8)ヒヨドリ13 (9)エナガ2 (10)メジロ2
(11)ムクドリ2 (12)ジョウビタキ1♂ (13)スズメ10 (14)ハクセキレイ2 (15)アトリ20±
(16)ドバト8  (17)ガビチョウ1  (18)マルガモ1


<備考>
〇シジュウカラ2羽、コゲラ1羽と一緒に行動しているエナガ2羽を観察する。今冬エ
 ナガにやっと会えた感がある。
〇カワセミハウスの北側台地でジョウビタキの雄を観察する。飛来当初の11月10日
 以来である。
〇あづまや池で20羽ほどのアトリを観察する。昨日(12月24日)、岩井さんがわき
 みず池周辺で30~40羽の群れを観察し撮影をしている。

△アトリの群れ あずまや池にて 12月24日 撮影:岩井満夫さん

〇調査終了後であるが、オオタカ1羽が調査地内の多摩平第6公園上空をゆっくり旋
 回していた。そして多摩平側に急降下するように消える。その間同公園のヒマラ
 ヤスギのてっぺんでハシブトガラス1羽が盛んに鳴いていた。私はカワセミハウス
 の東わきから見上げるようにして観察していた。

●調査日 2018年12月30日(日) 快晴

<調査結果>
(1)マガモ8(4♂4♀)(2)カルガモ28 (3)モズ1♀ (4)ハシボソガラス3 (5)シジュウカラ10
(6)ヒヨドリ13 (7)エナガ5 (8)ハクセキレイ1 (9)アトリ6 (10)アオジ4
(11)ドバト5 (12)マルガモ1


<備考>
〇第2コーポラス前の台地で(ここは桜が見事なので“桜ケ丘”と勝手に呼んでいる)
 モズの雌をじっくりと観察できた。西のあずまや池周辺の雌であろう。今のところ
 今冬の黒川のモズはこの雌1羽だけである。
〇ハンノキの樹冠部をエナガ5羽がゆっくり東に移動していた。そこにアトリ3羽を
 見る。
〇わきみず池西側の背の低いネザサでアオジ4羽ほどが採餌をしながら移動していた。

<特記事項>
黒川公園にツグミが姿を現すのは、例年12月上旬であるが、今冬は30日まで確認でき
なかった。年内は駄目かと諦めていたら、岩井さんが大晦日の31日にツグミを初めて
確認し撮影したので紹介をする。黒川では最も遅い初認の記録になった。

△ツグミ 12月31日 撮影:岩井満夫さん