金子凱彦の野鳥調査  146回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2019年12月3日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ7(3♂4♀) (2)カルガモ14 (3)キジバト3 (4)ハシボソガラス2 (5)ヤマガラ5
(6)シジュウカラ10 (7)ヒヨドリ10 (8)メジロ15 (9)ツグミ1 (10)ジョウビタキ1♂
(11)ハクセキレイ2 (12)ドバト2

<備考>
〇小さな実の柿の木(渋柿)にメジロが群がっていた。ヒヨドリやムクドリに食された跡
 がなく小さなメジロには果実を食べることが困難なのではないか。今年は秋から初冬に
 メジロが多いようだ。
〇カワセミハウス周辺でジョウビタキの雄は常連になったが、黒川公園の東の方ではジョ
 ウビタキを観察できていない…、観察漏れか?

●調査日 2019年12月12日(木) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ8(4♂4♀) (2)カルガモ9 (3)キジバト2 (4)カワセミ1 (5)コゲラ1
(6)オナガ1 (7)ハシボソガラス1 (8)ハシブトガラス3 (9)ヤマガラ3 (10)シジュウカラ3
(11)ヒヨドリ7 (12)シロハラ1 (13)ツグミ2 (14)ジョウビタキ1♂ (15)ハクセキレイ1
(16)ドバト17

<備考>

〇久しぶりにオナガの声を聞くが羽数は不明であった。多摩平側を飛んだので姿を見るこ
 とはできなかったのだ。
〇シロハラを山王下公園で観察する。同公園で12月10日に姿を見たがこれが初認にな
 った。なお黒川公園では確認できていない。

●調査日 2019年12月18日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(5♂4♀) (2)カルガモ24 (3)キジバト2 (4)コゲラ3 (5)ハシボソガラス4
(6)ヤマガラ6 (7)シジュウカラ25 (8)ヒヨドリ11 (9)エナガ3 (10)メジロ3 (11)ツグミ1
(12)ジョウビタキ2♂♀ (13)ハクセキレイ1 (14)ドバト8

<備考>
〇マガモは11月4日の飛来以来9羽と最高数になった。
〇エノキの高木の緑の葉の残る枝でツグミが1羽採食?をしていた。なかなか枝から離れ
 なかった。12月も中旬であるが結構未だに緑の葉が残っている。
〇わきみず池でジョウビタキの雌を今冬初めて観察する。林内を忙しげに移動しており、
 遊歩道側(人家側)には出てこなかった。本日はカワセミハウスの雄とこの池の雌でジョ
 ウビタキは2羽になった。あと東側の大池からひょうたん池にかけて出るとよいのだが…。

●調査日 2019年12月30日(月) くもり

<調査結果>
(1)マガモ8(4♂4♀) (2)カルガモ22 (3)キジバト2 (4)モズ1♂ (5)ハシボソガラス6
(6)ハシブトガラス1 (7)シジュウカラ5 (8)ヒヨドリ8 (9)ウグイス1 (10)ムクドリ4
(11)ツグミ1 (12)ジョウビタキ1♂ (13)スズメ17(14)ハクセキレイ1 (15)コジュケイ1
(16)ドバト20 (17)ガビチョウ5

 
<備考>
〇わきみず池前で逃げ回る大きなミミズに挑戦しているモズの雄を発見する。しばらくす
 るとこのミミズをくわえて遊歩道から飛び立ち林へ消えた。ここでモズを観察するのは
 初めてであったが、10日前の12月20日10時ごろ、池の北側で雌雄は不明であったがモズ
 の高鳴きを聞いている。
<追記>12月20日15:30頃、わきみず池から西側の第2コーポラス前でモズの雌を確認する。
 さらに同20日に岩井さんがカワセミハウス寄りのあずまや池でモズの雌を観察し撮影を
 している。
⇒推測するにカワセミハウス、あずまや池、第2コーポラス周辺に雌、わきみず池周辺に雄
 がいるのではないか。今後も観察を続けたい。
 
 △モズの雌 12月20日 撮影:岩井満夫さん

〇やっとウグイスの地鳴きを聞くことができた。すでに11月にウグイスは確認されていた
 が、私は今までなかなか出会えなかった。
〇斜面にかろうじて残っているネザサのブッシュからコジュケイの“チョットコイ、チョ
 ットコイ”が聞こえてきた。冬のくもり空で10℃にもならない気温のなかコジュケイの
 大きな声は季節外れのように思えたが、冬の寒さを吹き飛ばす明るさがあった。今や黒
 川公園ではほとんど会うことができない鳥になっている。