金子凱彦の野鳥調査  150回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2020年4月3日(金) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ2♂♀ (2)カルガモ9 (3)キジバト5 (4)カワセミ1♂ (5)アオゲラ11
(6)モズ1 (7)ハシボソガラス3 (8)ヤマガラ3 (9)シジュウカラ3 (10)ヒヨドリ20
(11)ウグイス2 (12)エナガ3 (13)ムクドリ2 (14)スズメ1  (15)キセキレイ1
(16)ドバト4  (17)ガビチョウ1

<備考>
〇清水谷公園の池奥でカワセミの雄が水浴びを繰り返していた、そして羽づくろいを10分
 以上していた。以前はここでよく雌を見ていたのであるが…。
〇アオゲラが盛んにピュ~イ、ピュ~イと鳴いている、最近よく聞く、繁殖の季節である。
〇黒川公園東端でエナガ2羽を観察する、その内の1羽の尾が曲がっていた。入巣中か?
 同日、黒川公園西端のあずまや池で岩井さんが撮ったエナガの尾も曲がっていた。
〇冬と違いキセキレイの喉が黒かった、夏羽になったのであろう。かつて本種は黒川公園
 に隣接する人家で営巣したこともあったが、近年日野の浅川などでは数が少なくなって
 いる。
 
 △尾の曲がっているエナガ あずまや池 4月2日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2020年4月11日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ8 (2)キジバト2 (3)カワセミ1♂ (4)アオゲラ1 (5)ハシボソガラス7 
(6)ヤマガラ3 (7)シジュウカラ8 (8)ツバメ2 (9)ヒヨドリ44 (10)ウグイス1
(11)エナガ1 (12)ハクセキレイ1 (13)ドバト1 (14)ガビチョウ1

<備考>

〇マガモの姿がなかった。前回の調査時にはあずまや池に2羽いたのであるが、渡去して
 しまったようだ。
<終認の記録>2020年4月3日あずまや池で2羽が終認、昨年(19年)は3月31日4羽、
2018年は3月24日3羽、2017年は3月30日2羽が終認の記録である。
〇清水谷公園の池でカワセミの雄を観察するが、岩井さんは本日の午後同じ池で雌雄を
 撮影している。
 
△カワセミの雄(左)と雌(右)清水谷公園の池 4月11日 撮影:岩井満夫さ

〇第3コーポ上空から林の上を飛ぶツバメを観察する、移動の途中か。なお豊田駅周辺の
 昨年の巣にツバメたちが渡来している。
〇ヒヨドリの10羽、12羽の群れが西方向(豊田駅方向)に飛ぶ、春の渡であろう。秋ほど
 群れは大きくなく、顕著でないが黒川でも春の渡りを観察できる。

●調査日 2020年4月14日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト4 (3)カワセミ1♂ (4)アオゲラ1 (5)ハシボソガラス3
(6)シジュウカラ4 (7)ツバメ3 (8)ヒヨドリ34 (9)ウグイス2 (10)ムクドリ3
(11)ハクセキレイ4 (12)ドバト7

<備考>
〇カルガモは東からひょうたん池、大池、わきみず池、あずまや池それに清水谷公園の池
 で各2羽、合計10羽であった。各々の繁殖テリトリーができたのか?どこの池からヒナた
 ちが姿を現すか、楽しみである。
〇今回も清水谷公園の池でカワセミの雄を観察する。付近で営巣しているのか?
〇頭上からけたたましいほど大きなアオゲラの声が聞こえた。今年も繁殖するであろう。
〇ヒヨドリ16羽の渡の群れを観察する、昨日雨だったのでもっと渡りの群れを期待したの
 だが1回だけであった。早い時間だと渡りを見ることができるか。
〇大池前でハクセキレイを3羽、第一コーポ前で1羽、計4羽のハクセキレイを同時に観察す
 る。内2羽は繁殖羽の雄であった。第一コーポ、第三コーポ周辺で繁殖しているのであろ
 う。
  
●調査日 2020年4月22日(水) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ12 (2)キジバト3 (3)チョウゲンボウ1 (4)モズ1♀ (5)ハシボソガラス3
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ1 (8)シジュウカラ2 (9)ヒヨドリ9 (10)ウグイス2
(11)エナガ2 (12)ムクドリ2 (13)スズメ1 (14)ハクセキレイ1  (15)シメ1
(16)ドバト8 (16)ガビチョウ2

 
<備考>
〇カワセミハウス上空を豊田駅方向(西方向)に飛ぶチョウゲンボウを観察する。3月下旬
 から駅周辺で本種を見かけるようになった。
〇ひょうたん池北側斜面でモズの雌を観察する。この雌は横枝から地面に降り、しばらく
 するとグリーンのバッタのような虫をくわえて戻って来た。餌として運ぶのかと見ていた
 がそこで食べてしまった。付近に営巣場所があると思うが…、不明である。
<Episode>雌の嘴の虫が飛び出した、飛んだ、雌は素早く枝を離れこの虫を空中でキャッチ
し戻って来た、そして食べた。ドジなのか機敏なのか!?
〇シメの嘴は前回(3/11)見たより濃い鉛色になっていた。桜並木の高所で長い時間採食し
 ていた。これから繁殖地の北海道に帰るのであろう。


●調査日 2020年4月29日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト1 (3)コゲラ2 (4)チョウゲンボウ1 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス1 (7)シジュウカラ5 (8)ツバメ3 (9)ヒヨドリ10 (10)ウグイス1
(11)ムクドリ12 (12)ツグミ2  (13)スズメ7 (14)ハクセキレイ2 (15)ドバト5 
(16)ガビチョウ2 
 
<備考>
〇チョウゲンボウが清水谷公園の上空でホバリングをしてから豊田駅方向に急降下した。
 前回(22日)も本種を観察している。駅周辺で営巣している??
〇地面で採食するツグミ2羽を観察する、これから遠くシベリアやカムチャッカに帰るの
 であろう。冬鳥のツグミと夏鳥のツバメを同時に観察できるのは今の時期だけである。
〇夏鳥たちが黒川を通過する季節になったが、本日は出会うことがなかった。

<特記事項>
オオルリを岩井さんが撮影したので紹介します。本種は越冬地の東南アジアから繁殖のた
めに日本にやって来る夏鳥で、黒川には春と秋に寄ります。

△オオルリの雄 黒川清流公園 4月26日 撮影:岩井満夫さん