金子凱彦の野鳥調査  152回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2020年6月4日(木) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト1 (3)カワセミ2 (4)ハシボソガラス1 (5)シジュウカラ6
(6)ツバメ2  (7)ヒヨドリ3 (8)ムクドリ1 (9)キビタキ2 (10)スズメ3
(11)ドバト1 (12)ガビチョウ2

<備考>
〇この数日、清水谷公園でカワセミを観察している。公園以外で巣立った幼鳥が池の奥に
 いて親の給餌を待っているのだ。本日、池に飛来した親はまっすぐ奥へ消えた。しばら
 くすると2羽が現れ、横枝に止まる。成鳥の雌(母親)と幼鳥であった。ここで給餌を
 する。幼鳥は食べ終わると奥へ消えたが、母親は池わきで休息していた。
〇あずまや池上空を2羽のツバメが盛んに旋回していた。実は今日の朝、豊田駅前の市役
 所の出先機関・豊田連絡所で4羽のツバメの子が巣立ったのだ(あと1羽残っているが…)、
 今春初めての記録である。池を飛んでいるツバメとは関係がないが、めでたい日であった。
〇キビタキの声を黒川公園と多摩平第3緑地で聞く。お~まだいたか!の感がある。

<特記事項>
本日、清水谷公園でカワセミを観察していた岩井光夫さんからmailをもう。
「カワセミは13:30から幼鳥2羽のみでいて、親(雌雄不明)が14:30飛来し池奥へ、
そして数分で南に飛び出すと、幼鳥2羽もそのまま付いて行きました」 この2羽はも
う池には戻ってこないのでは…。

△カワセミの幼鳥2羽 6月4日13:47撮影
 
●調査日 2020年6月9日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ4 (2)キジバト4 (3)カワセミ1 (4)ハシボソガラス4 (5)シジュウカラ10
(6)ツバメ1  (7)ヒヨドリ7 (8)ムクドリ2 (9)キビタキ1 (10)ドバト3
(11)ガビチョウ1

<備考>

<備考>
〇清水谷公園の池でカワセミの幼鳥を観察する。6月4日の2羽とは別の1羽のようだ。
 本日は親の飛来を観察できなかった。午後に岩井さんがこの幼鳥を撮影する。
 ⇒本日を最後にカワセミは池に現れなくなった。今春は3羽が巣立ったようだが、営巣場
 所は不明であった。
〇本日もキビタキの声を聞く、連日である。

△カワセミの幼鳥、自力で小さなエビを採る 6月9日 撮影:岩井満夫さん

△囀るキビタキの雄  6月8日 撮影:岩井満夫さん
 

●調査日 2020年6月18日(木) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト4 (3)ハシボソガラス4 (4)シジュウカラ9 (5)ヒヨドリ4  
(6)ムクドリ10  (7)スズメ4 (8)ドバト2 (9)ガビチョウ3

<備考>
〇5羽ほどのシジュウカラの幼鳥の群れが元気に林内を移動していた。顔つきは大人ぽっく
 たくましくなっている。またあずま屋池ではシジュウカラの囀りを聞く。
〇本日は鳥たちが少なかった。
〇少ないといえば子供たちの姿も見かけなくなった。コロナウイルス感染対策の緊急事態
 宣言(4月7日)で幼稚園や保育園が休みになり、小さな子がお母さんに連れられて黒川
 公園に多数やってきた。にぎやかで楽しかった。そして5月25日に宣言解除、また静けさ
 が戻ってきた。

わきみず池前の水路で遊ぶ子供たち、多数の自転車が並んでいた 4月15日
  
●調査日 2020年6月27日(土) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ6 (2)キジバト2 (3)トビ1 (4)ハシボソガラス3 (5)シジュウカラ3
(6)ツバメ1  (7)ヒヨドリ6 (8)ムクドリ54  (9)スズメ2 (10)ドバト1 (11)ガビチョウ6

 
<備考>
〇東豊田3丁目上空をトビがゆっくりゆっくり旋回していた。
〇最近ムクドリの群れをたびたび見かける。本日は電線に群れる50羽ほどを観察した。
〇今日はどんより曇って、蒸し暑く、梅雨の気候である。関東甲信の梅雨入りは6月11日
 であった。6月前半はキビタキやカワセミでにぎやかであったが、後半はムクドリが目
 立つぐらいであった。黒川はこれから鳥が少なくなる季節である。