金子凱彦の野鳥調査  156回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2020年10月3日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ23 (2)キジバト4 (3)カワセミ1♀ (4)コゲラ1 (5)モズ1
(6)ハシボソガラス6 (7)ハシブトガラス1 (8)ヤマガラ6 (9)シジュウカラ24 (10)ヒヨドリ14
(11)エナガ3 (12)コジュケイ8 (13)ドバト12 (14)ガビチョウ2


<備考>
〇本日も清水谷公園の池でカワセミの雌を見る、休息場所として定着しているようだ。
〇あずまや池の林からモズの高鳴きが聞こえたが、姿を確認することはできなかった。
〇大池わきのエゴノキに3~4羽のヤマガラがやって来ては実をせっせと運んでいた。他
 の所でも混群の中でヤマガラの姿を見た、やっと多くなった。
〇15羽ほどのシジュウカラとヤマガラ(2+)、エナガ(3+)の混群に出会う。秋の到
 来を感じる。
〇中央線の南側の神明野鳥公園から線路を越えてヒヨドリの10羽ほどの小さな群れが、
 黒川公園にやって来た。秋の渡りである。10月1日、2日にも小さな群れであるが中央線
 越えを観察している。
〇久しぶりにシジュウカラ、ヤマガラの群れにエナガの姿を発見する。高所で葉が茂って
 いるのでよく見えなかったが、若鳥のようであった。
〇カワセミハウス北側台地の広場を横切るコジュケイの群れに会う、8羽ほどを数える。


●調査日 2020年10月12日(月) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ2 (2)キジバト4 (3)ハシボソガラス4 (4)ハシブトガラス3 (5)ヤマガラ2
(6)シジュウカラ30± (7)ヒヨドリ40± (8)エナガ5± (9)コジュケイ13 (10)ドバト8
(11)ガビチョウ3

<備考>

〇清水谷公園の林に南側から30羽ほどのヒヨドリの群れが入る。ただ林に留まることなく
 消えてしまった、秋の渡りである。今までの観察では清水谷公園から西の豊田駅前ひろ
 ばに出て中央線を南に横切るコースを確認している。
〇わきみず池東側でコジュケイ7羽を観察したあと、カワセミハウス北側の台地でコジュ
 ケイ8羽の群れに出会う。この群れには体が小さな個体が2~3羽混じっていた。本調査
 地には2つのグループがあるようだ。

●調査日 2020年10月20日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ20 (2)キジバト2 (3)カワセミ1♀ (4)モズ1 (5)ハシボソガラス7
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ6 (8)シジュウカラ23± (9)ヒヨドリ27± (10)ジョウビタキ1♀
(11)ドバト12

<備考>
〇わきみず池奥(北側)からキチキチキチ、ギチ!とモズの大きな声が聞こえた。今秋の
 モズの記録は10/3あずま池周辺で声、10/16あずまや池東寄りの人家のTVで雌、10/19
 第一コーポラス周辺で声そして本日わきみず池で声、ただ今のところテリトリーはよく
 分からないが、この区間で3羽が越冬したこともあった。
〇あずまや池東側の桜並木でジョウビタキの雌を確認する、初認になる。
〇残念!最近コジュケイをよく見るようになった(10/12は8羽)カワセミハウス北側の台
 地際の斜面がきれいに刈り込まれてしまった。コジュケイはこの斜面のブッシュを隠れ
 場に利用していたのだが、このような環境で広場に姿を現すか…?

△刈り込まれた台地南側の斜面 10月16日撮影


●調査日 2020年10月21日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ19 (2)キジバト4 (3)アオゲラ1 (4)モズ1 (5)ハシボソガラス3
(6)シジュウカラ7 (7)ヒヨドリ48 (8)スズメ2 (9)ドバト3 (10)ガビチョウ2
(11)ムシクイSP1

 
<備考>
〇久しぶりにアオゲラの声を聞く、アオゲラ健在!
〇ひょうたん池北側奥、中央線との境付近でモズの声が聞こえた。
〇黒川公園の林から出て南の中央線方向に真っすぐに飛ぶヒヨドリの群れ17羽を観察する、
南に移動する秋の渡りである。公園の林内にも渡りと思われる群れが鳴き騒いでいた。
本日もヒヨドリが多かった。

●調査日 2020年10月27日(火) くもり

<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ23 (3)キジバト3 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)ハシボソガラス5 (7)ヤマガラ4 (8)シジュウカラ31± (9)ヒヨドリ14 (10)エナガ2
(11)メジロ5 (12)コジュケイ2 (13)ドバト5 (14)ガビチョウ4

 
<備考>
〇大池でマガモの雄1羽を観察する。3日前の24日に大池で雄1羽を始めてみる(初認)。
 昨年(19年)の初認は11月4日で2羽(♂♀)、一昨年(18年)は11月5日で4羽(♂♀
 各2)であった。今年は一寸早いか。
〇シジュウカラの群れと一緒のメジロを柿の木で発見する、柿はまだ固くメジロには歯
 が立たない(歯はないが…)であろう、本種との再会は久しぶりである。
〇ひょうたん池でコジュケイの元気なチョットコイを木の梢から聞くが数は不明であった。

<特記事項>
岩井さんが黒川公園東端の「ひょうたん池」北側(多摩平側)でジョウビタキの雌を撮影
したので紹介する。なお10月20日に公園西端の「あずまや池」近くで同じく雌を観察して
いる(別個体と思うが)。

△ジョウビタキの雌 10月29日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2020年10月31日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ24 (3)キジバト1 (4)トビ1 (5)コゲラ1
(6)アオゲラ1 (7)ハシボソガラス5 (8)ハシブトガラス1  (9)ヤマガラ2 (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ20 (12)エナガ12 (13)ドバト2 (14)ガビチョウ3

 
<備考>
〇中央線南からゆっくりとトビが飛来し東豊田上空を旋回する、本調査地に降りることは
 ない。
〇清水谷公園からアオゲラの大きな甲高い声が聞こえてきた。黒川の個体であろうか。
〇多摩平第3緑地から山王下公園そして南側の住宅地にせわしく移動するエナガの群れに
 遭遇する、12羽数えるがもっといたか。