金子凱彦の野鳥調査  158回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2020年12月4日(金)晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(4♂5♀)(2)カルガモ24 (3)キジバト1 (4)コゲラ2 (5)ハシボソガラス6
(6)ハシブトガラス1  (7)ヤマガラ3  (8)シジュウカラ7 (9)ヒヨドリ18 (10)メジロ5
(11)キセキレイ1 (12)ハクセキレイ1 (13)ドバト15 (14)ガビチョウ1


<備考>
〇メジロがマユミに群がっていた、実を食するのか、以前にも見たことがある。
〇ハクセキレイが姿を現す。キセキレイと共に黒川公園のセキレイ類がそろった。ハクセ
 キレイは春になるとコーポラス周辺で繁殖している鳥で、繁殖が終わると調査地から姿を消す。

●調査日 2020年12月16日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ11(6♂5♀) (2)カルガモ39 (3)キジバト3 (4)モズ1♀ (5)ハシボソガラス2
(6)シジュウカラ8 (7)ヒヨドリ12 (8)ウグイス1 (9)メジロ5 (10)ツグミ5
(11)キセキレイ1 (12)ハクセキレイ2 (13)ドバト2 (14)ガビチョウ2

<備考>

〇久しぶりにあずまや池でモズの雌を観察するが、同じ日に岩井さんがこの雌を撮影した
ので紹介する。

△モズの雌 あずまや池  12月16日 撮影:岩井満夫さん

〇斜面のクマザサからウグイスの笹鳴き(地鳴き)が聞こえた。近年笹鳴きが少なくなっ
 て、本日やっととの感がある。
〇昨日、初めて黒川でツグミを観察したが(今冬の初認)、今日は3カ所で合計5羽の本種
 を確認する。多摩平第三緑地では枯葉の積もる斜面で朝日を浴びながらせっせと餌を探し
 ていた。シベリアからの遠来の客に歓迎の拍手を送りたい。今冬もよろしく!


●調査日 2020年12月21日(月) <冬至>晴れ

<調査結果>
(1)マガモ12(6♂6♀) (2)カルガモ50 (3)キジバト5 (4)ハシボソガラス8 (5)シジュウカラ18±
(6)ヒヨドリ9  (7)メジロ30± (8)ツグミ1 (9)キセキレイ1 (10)ハクセキレイ2
(11)カシラダカ20±  (12)ドバト25  (13)ガビチョウ1


<備考>
〇わきみず池西側で20羽ほどのカシラダカの群れに出会う。一部は湧水からの流れに降り
 ていた。水浴びをしているようである。なお12月10日に岩井さんは20~30羽ほどの群れ
 を黒川で観察している。
〇メジロは20羽ほどと10羽の群れに出会う。


●調査日 2020年12月26日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ13(8♂5♀) (2)カルガモ52 (3)キジバト3 (4)ハシボソガラス67 (5)ヤマガラ1
(6)シジュウカラ9 (7)ヒヨドリ7 (8)メジロ8 (9)ツグミ1 (10)キセキレイ1
(11)ハクセキレイ1  (12)ドバト20  (13)ガビチョウ1

 
<備考>
〇大池でマガモ13羽になる、本年の最多である、そしてカルガモも52羽で最多になった。
 まだまだ増えるのか?
<参考>昨年の12月の最多は18日の9羽、カルガモは同じく18日の24羽であった。今
 年カルガモはダントツに多くなっている、何故か?

●調査日 2020年12月31日(木) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ10(5♂5♀) (2)カルガモ49 (3)キジバト8 (4)アオサギ1 (5)コゲラ1
(6)オナガ3 (7)ハシボソガラス4 (8)ヤマガラ3 (9)シジュウカラ9 (10)ヒヨドリ10
(11)メジロ6 (12)アカハラ1 (13)ツグミ2 (14)ジョウビタキ1♀ (15)キセキレイ1
(16)ハクセキレイ4 (17)コジュケイ6 (18)ドバト11

 
<備考>
〇センサス終了後に大池に戻るとちょうどアオサギが飛来した、そしてすぐ休息?30日、
 31日のアオサギを下記の写真で紹介する。
〇数年ぶりにアカハラを見る。高木のてっぺんをゆっくり移動していたが、黒川に定着
 はしないであろう。ひと冬の一回限りの観察になるか。
〇多摩平第三緑地でたびたびツグミを見る、ここはツグミのお気に入り場所だ。
〇清水谷公園の池のフェンスに突然ジョウビタキの雌が飛来する。この池では今冬初め
 てだ。当日フェンスの周りはシジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラで賑やかだった。
〇コジュケイが鳴きながら刈り込まれた林床で餌をついばんでいた、6羽まで数えた。
〇本日は出現種18と12月では最も多い数字になった、鳥見には楽しき大晦日であった。
<参考>12月4日14種、7日9種、11日12種、16日14種、21日13種、26日13種そして本日は
 18種であった。近年冬といえども20種を超えることは無くなった。


△アオサギ 清水谷公園 12月30日
フェンス脇を人が遠慮がちに通るとゆっくりと池に飛び移った

△アオサギ 大池 12月31日
休息をしているのか、数人が近くでカメラを向けても嘴を胸に入れ眼を閉じていた、
無警戒?

<特記事項>
ルリビタキのメスタイプを岩井さんが黒川公園で撮影したので紹介する。私はまだ本種
に会えていない、来年こそは…。

ルリビタキ 12月18日 撮影:岩井満夫さん