金子凱彦の野鳥調査  159回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2021年1月1日(金)晴れ

<調査結果>
(1)マガモ12(6♂6♀) (2)カルガモ54 (3)キジバト2 (4)モズ1♀ (5)ハシボソガラス2
(6)シジュウカラ6 (7)ヒヨドリ4 (8)メジロ10+ (9)シロハラ1 (10)ツグミ2
(11)ルリビタキ2♀ (12)ジョウビタキ1♀ (13)キセキレイ1 (14)ハクセキレイ2


<備考>
あずまや池の中之島は年末年始にはヒトが入れない旨の表示があった 
そのためか元旦からマガモ2羽♂♀が池に定着するようになった。

〇山王下公園でシロハラを観察する。地面の落ち葉を盛んにひっくり返し餌探しに励んで
 いた。元旦であり人の気配がなかったので、ゆっくり見ることができた。
〇ルリビタキにやっと会えた。わきみず池の柵に飛来する。朝日を浴びそのシックな姿を
 十分に見せてくれた。元旦で人の往来がまったくなかったのが幸いしたか、至福のひと
 時であった。さらに大池わきを飛ぶ本種を見たが別個体でないか。

△ルリビタキ 1月1日 多摩平第一緑地 撮影:岩井満夫さん
撮影時にもう一羽メスタイプのルリビタキが近くにいたということだ。

●調査日 2021年1月2日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ16(8♂8♀) (2)カルガモ59 (3)キジバト4 (4)コゲラ1 (5)モズ1♀
(6)ハシボソガラス6  (7)ヤマガラ1 (8)シジュウカラ9 (9)ヒヨドリ4 (10)メジロ3
(11)ムクドリ2 (12)ツグミ1 (13)キセキレイ1 (14)ハクセキレイ1 (15)ドバト9
(16)ガビチョウ1

<備考>

〇マガモは大池14羽、あずまや池2羽の合計16羽になった(今冬最高羽数になるか)。
 またカルガモも59羽(大池34羽、わきみず池5羽、あずまや池6羽、清水谷公園14羽)
 と過去最多になった。
〇昨日と同じ多摩平第三緑地でモズの雌を見る、落ち葉を掘り返しミミズをくわえて
 いた。

●調査日 2021年1月7日(木) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ14(7♂7♀) (2)カルガモ49 (3)キジバト4 (4)モズ2(1♂) (5)ハシボソガラス7
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ2 (8)シジュウカラ17 (9)ヒヨドリ5 (10)ウグイス1
(11)エナガ2 (12)メジロ8 (13)ツグミ2 (14)ルリビタキ1♀ (15)キセキレイ1
(16)ハクセキレイ4 (17)ドバト15 (18)ガビチョウ1


<備考>
〇モズを2回観察する。①中央線脇を下り方向から飛来し、ひょうたん池脇の木に止まる、
 雄であった。②カワセミハウス北側台地を飛ぶモズを確認するが雌雄は分からなかった。
 雌であったなら距離的に多摩平第三緑地でよく見る雌の可能性があったのだが…。
〇多摩平第一緑地でルリビタキに会えた、距離的に1月1日にわきみず池で見たルリビタキ
 の可能性もある。

△ルリビタキ 多摩平第一緑地 1月7日 撮影:岩井満夫さん


●調査日 2021年1月11日(月・祝) くもり 寒い!(AM6時-3℃ AM9時0℃ 無風)

<調査結果>
(1)マガモ13(7♂6♀) (2)カルガモ54 (3)キジバト5 (4)アオサギ1 (5)アオゲラ2(1♀)
(6)モズ1♀ (7)ハシボソガラス3 (8)シジュウカラ6 (9)ヒヨドリ5 (10)メジロ2
(11)シロハラ1 (12)ツグミ7 (13)キセキレイ1 (14)ハクセキレイ2 (15)ドバト32

 
<備考>
〇葉がすべて落ちた高木の樹冠部に止まっているアオゲラの雌を双眼鏡で観察していると、
 もう1羽アオゲラが飛んだ、雄か?最近2羽での行動が多い。
〇あずまや池のワサビ畑(今は使用されていない)のフェンスの中でシロハラが激しく鳴
 きながら2~3羽のツグミを追い払っていた。本日はツグミが多かったが、シロハラは
 ここから300mほど離れた山王下公園で元旦に初めて見ている。黒川に定着するであ
 ろう。

●調査日 2021年1月20日(水) <大寒>晴れ

<調査結果>
(1)マガモ11(6♂5♀) (2)カルガモ56 (3)キジバト3 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1♀
(6)モズ2♂♀ (7)ハシボソガラス3 (8)ヤマガラ2 (9)シジュウカラ16 (10)ヒヨドリ11
(11)ウグイス1 (12)エナガ5 (13)メジロ23+ (14)ムクドリ3 (15)ツグミ1
(16)ルリビタキ1♀ (17)ジョウビタキ1♀ (18)キセキレイ1 (19)ハクセキレイ1 (20)アオジ2
(21)コジュケイ1  (22)ドバト6  (23)ガビチョウ2

 
<備考>
〇本日は<大寒>であるが、日差しが明るく暖かい穏やかな黒川公園の散策であった。
〇出現種が23と多かった、まだシメを観察していないが黒川の冬鳥はほぼ出揃った感じ
 である。
〇スタート地点のひょうたん池では早速モズの雄が現れた、最近はよく見ることができる。
〇あずまや池東側の桜並にルリビタキとジョウビタキが同時にやって来た、両種とも警戒
 心が薄く充分に鳥見を楽しめた。なお桜並木わきのクマザサでは多数のメジロが鳴き騒
 いでいた。ここはメジロたちのお気に入りの場所である。さらにエナガ、シジュウカラ、
 コゲラがメジロに誘われるように桜の木に飛来し賑やかになった。
〇今冬初めてアオジを清水谷公園で見る、朝日を浴び下面の黄緑色が鮮やかであった。
 昨年は足環付の本種が越冬したので、気を付けて足を観察したが足環はなかった。
〇コジュケイの“チョットコイ、チョットコイ”の声を聞くが羽数は不明である。

●調査日 2021年1月25日(月) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(5♂4♀) (2)カルガモ48 (3)キジバト4 (4)コゲラ2 (5)アオゲラ2(1♀)
(6)モズ3(1♂2♀) (7)ハシボソガラス3 (8)ハシブトガラス1 (9)シジュウカラ14 (10)ヒヨドリ3
(11)ウグイス2 (12)エナガ7 (13)メジロ14 (14)ムクドリ1 (15)シロハラ1 (16)ツグミ2
(17)キセキレイ2 (18)ハクセキレイ1 (19)コジュケイ1 (20)ドバト5 (21)ガビチョウ1

 
<備考>
〇モズはひょうたん池で雄、あずまや池で雌、そして多摩平第三緑地も雌であった。2羽
 の雌は別個体と思うが…不明。
 調査終了後であるが、ひょうたん池の雄があたたかい朝日を浴び極短時間であるが
 love song(ピュルルル、キュルルル)を歌った。近くに雌がいないか探したが発見で
 きなかった。最近ここで雌の姿を見たと聞いたので気になっているのだが…。
〇ひょうたん池わきのブッシュからシロハラが飛び立ち、近くの小枝に止まる。しばらく
 思案顔?でたたずんでいた。今冬のシロハラの記録は山王下公園、あずまや池、そして
 今回の3回目である。
〇コジュケイは声のみで、羽数は不明である

●調査日 2021年1月29日(金) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(4♂5♀) (2)カルガモ21 (3)キジバト5 (4)コゲラ1 (5)ハシボソガラス7
(6)ヤマガラ1 (7)シジュウカラ16 (8)ヒヨドリ3 (9)エナガ4 (10)メジロ5
(11)ヒレンジャク10 (12)ムクドリ2 (13)ツグミ1 (14)ジョウビタキ1♂ (15)スズメ20±
(16)ハクセキレイ1  (17)コジュケイ1 (18)ドバト11 (19)ガビチョウ4

 
<備考>
〇あずまや池東の桜並木にキレンジャクが来た※と聞いたので、多摩平側の大ケヤキを
 見に行った。ちょうど10羽ほどのレンジャクが南側からヤドリギに飛来するところで
 あった。尾の先が赤いヒレンジャクである。昨年は1月25日にヒレンジャク1羽が観察
 され、2月になると回数も羽数も増えた。
※1月29日の朝、桜の木のヤドリギに7羽飛来したのをカワセミハウスの職員が観察した。

<特報>アカゲラ
1月になりアカゲラが観察されるようになったが、私は未だ会えないでいる。黒川セン
サスの時それなりに気を付けているのだが残念。岩井さんが撮ったアカゲラを紹介する。

△アカゲラ 黒川公園 1月22日 撮影:岩井満夫さん

<1月の雑感>
1月8日~2月7日まで新型コロナウイルス感染症対応の緊急事態宣言が発令され、不要
不急の外出は控える、人との接触は控えるといわれている。とはいえ高齢者の私は心身
の健康維持のため、人との接触の少ない雑木林や河川のマイフィールドに出ていた。
<追記>2月2日、10都府県対象に緊急事態が3月7日まで延長になる。2月も自粛気分で
いなくてはならないか