金子凱彦の野鳥調査  160回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2021年2月3日(水) <立春> 晴れ
余談ながら、今年の節分は3日でなく2日になった。1年が365日ぴったりでなく6時間ほど長いため、
立春の前日である節分もずれる年がある。2日の節分は124年ぶりだそうだ。2日節分、3日立春、
4日には春一番が吹いた、これは1951年の観測開始以降もっとも早い記録だ。今年の春は早いか。

<調査結果>
(1)マガモ12(7♂5♀)(2)カルガモ44 (3)キジバト2 (4)トビ1 (5)コゲラ6
(6)アオゲラ1 (7)モズ1 (8)ハシボソガラス4 (9)ヤマガラ1 (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ4 (12)エナガ4 (13)メジロ4 (14)ムクドリ1 (15)シロハラ1
(16)ツグミ1  (17)キセキレイ1  (19)ハクセキレイ3  (20)ドバト5


<備考>
〇黒川公園の上空をトビがゆっくりと旋回していた。
〇清水谷公園で同時に3羽のコゲラを観察したので、黒川公園を含め6羽と多かった。
〇エナガは2羽で行動していた。巣材なのか羽毛のようなものをくわえていた。
〇車道わきの高木の横枝でシロハラが朝日を浴びて休んで?いた。見上げると下腹が白く
 鮮やかに見えた。
 

●調査日 2021年2月5日(金) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ12(7♂5♀)(2)カルガモ38 (3)キジバト3 (4)アオゲラ1 (5))ハシボソガラス2
(6)シジュウカラ5  (7)ヒヨドリ4  (8)ウグイス1  (9)メジロ7  (10)ヒレンジャク1
(11)ツグミ1 (12)ルリビタキ1♀ (13)ジョウビタキ2♀  (14)キセキレイ1 (15)ドバト6
(16)ガビチョウ1

<備考>

〇アオゲラの声が林中に響きわたっていた。ペアで行動していることが多くなった。この
 まま黒川に定着し、営巣するとよいのだが。
〇第2コーポ前の桜の古木周辺にカメラマンが大勢いた。頭上にヒレンジャク1羽、本日
 は3羽飛来したとのことであるが、私が確認したのは1羽のみ。
〇あずまや池東の桜並木にルリビタキ、ジョウビタキが同時に現れる。ここは両種とよく
 出会える場所になった。なおジョウビタキは清水谷公園でも観察できた。


△ヒレンジャク 黒川清流公園 2月5日 撮影:岩井満夫さん

●調査日 2021年2月8日(月) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ11(6♂5♀) (2)カルガモ49 (3)キジバト10 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)ハシボソガラス4 (7)ヤマガラ2 (8)シジュウカラ15  (9)ヒヨドリ5 (10)エナガ4
(11)メジロ1 (12)ムクドリ6  (13)ツグミ2  (14)ルリビタキ1♀ (15)キセキレイ1
(16)シメ1  (17)ドバト3  (18)ガビチョウ2

<備考>
〇あたたかい日差しに誘われてかウグイスが囀りのような声を発した。
〇エナガのペアが大池ふちの苔を採取していた、また羽毛もくわえていた。本日は2ペア
 観察した。
〇ヒレンジャクは連日1~3羽が姿を現している。ただキレンジャクの姿はないようだ。

連日レンジャク撮影の人たちで混み合うので、密にならないように!と注意を促す告知を
市役所が貼った。ハンノキの奥の湧水はレンジャクが水を飲みにくる撮影ポイントだ。


●調査日 2021年2月20日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ15(8♂7♀) (2)カルガモ48 (3)キジバト4 (4)カワセミ1♀  (5)コゲラ1
(6)アオゲラ1♂ (7)チョウゲンボウ1 (8)モズ1♀ (9)ハシボソガラス7 (10)ヤマガラ1
(11)シジュウカラ17 (12)ヒヨドリ3 (13)エナガ2 (14)メジロ15 (15)ヒレンジャク1
(16)ツグミ1 (17)ルリビタキ1♀ (18)キセキレイ1 (19)ハクセキレイ3 (20)コジュケイ6
(21)ドバト6 (22)ガビチョウ2

 
<備考>
〇清水谷公園の池でカワセミを見る。時々池に姿を現すと聞いていたが、今年になって
 初めてである。そろそろ繁殖の時期だ、今年はどうなるか。
〇青空をバックに清水谷公園を横切るようにチョウゲンボウが東に飛ぶ。超低空だったの
 で引きずるように長い尾羽の数本の黒帯が鮮明に見えた。
〇多摩平第三緑地でモズの雌を観察する。雄が現れれば別だが、そろそろこの地を離れる
 であろう。雄がこの第三緑地を冬のテリトリーにしていた時はここで繁殖したことが
 あった。なおひょうたん池の雄は1月25日来観察できなくなっている。繁殖のために移動
 したのか?すると今年も黒川での繁殖はないか。
〇大池、わきみず池周辺でエナガが営巣準備をしているようで、巣材運びをたびたび観察
 する。

△エナガの巣材運び 黒川清流公園 2月20日 撮影:岩井満夫さん

△エナガの巣材運び 黒川清流公園 2月24日 撮影:岩井満夫さん


●調査日 2021年2月27日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ16(8♂8♀) (2)カルガモ44 (3)キジバト7 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)モズ1 (7)ハシボソガラス9 (8)ハシブトガラス1 (9)ヤマガラ2 (10)シジュウカラ6
(11)ヒヨドリ5 (12)ウグイス1 (13)メジロ2 (14)ツグミ1 (15)ルリビタキ1♀
(16)ジョウビタキ1♂ (17)キセキレイ1 (18)ハクセキレイ3 (19)ドバト9

 
<備考>
〇黒川公園に面した人家の庭にモズが1羽飛び込む、常緑樹が植えられているので営巣可
 能であるが…、見守ろう。
〇本日もアオゲラのドラミングが林内に響きわたっていた。
〇ウグイスはまだ笹鳴き(地鳴き)であった。

<2月の雑感>
2月23日、浅川の一番橋でイワツバメを初めて見る。2月下旬から暖かい日が続き、めっ
きり春めいてきた感があるが、コロナ禍の先はまったく見えない。6府県の緊急事態宣言
が3月1日に解除されたが、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)は21日(日)まで延長
された。3月も自粛気分でいなければならないか。