金子凱彦の野鳥調査  161回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2021年3月3日(水) <ひな祭り> 晴れ

<調査結果>
(1)ママガモ15(7♂8♀) (2)カルガモ37 (3)キジバト6 (4)ハシボソガラス3 (5)ヤマガラ4
(6)シジュウカラ5 (7)ヒヨドリ5 (8)ウグイス3 (9)エナガ2 (10)メジロ6
(11)ムクドリ6 (12)シロハラ1 (13)ツグミ1 (14)ルリビタキ1♀ (15)ハクセキレイ1
(16)カシラダカ17  (17)ドバト15  (18)ガビチョウ1


<備考>
〇明るい朝日を浴びてウグイスが3カ所で囀っていた、一足早い春を感じた。
〇開きかけたコブシの花に頭を入れ採食しているメジロを観察する。コブシはそろそろ満
 開になるであろう。
〇カワセミハウス北側の広場で採食しているカシラダカの群れを観察する。人が通ると真
 上の木立に逃げるが、すぐ戻っては採食していた。
 

●調査日 2021年3月9日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ14(7♂7♀) (2)カルガモ36 (3)キジバト7 (4)アオゲラ1 (5)モズ1♂
(6)オナガ12+ (7)ハシボソガラス7 (8)ハシブトガラス2 (9)シジュウカラ5 (10)ヒヨドリ6
(11)ウグイス1 (12)メジロ5  (13)ヒレンジャク1  (14)ムクドリ2  (15)ツグミ2
(16)ジョウビタキ2♂♀ (17)キセキレイ1 (18)カシラダカ30± (19)コジュケイ6 (20)ドバト10
(21)ガビチョウ2

<備考>

〇オナガの群れが林内を鳴き騒ぎながら多摩平方向に飛び去る。オナガは久しぶりだ。
〇取り残されたような1羽のヒレンジャクをこの数日見る。終認は3月9日か。
〇あずまや池の元わさび畑でカシラダカの群が水飲み、水浴びをしていた。30羽ほどが飛
 び立つ。
 

●調査日 2021年3月15日(月) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ17(9♂8♀) (2)カルガモ22 (3)キジバト7 (4)アオゲラ1♂ (5)モズ2♂♀
(6)ハシボソガラス3 (7)ヤマガラ1  (8)シジュウカラ7  (9)ヒヨドリ7  (10)ウグイス4
(11)エナガ2 (12)メジロ2 (13)シロハラ2 (14)ツグミ3 (15)ルリビタキ1♀
(16)キセキレイ1  (17)ドバト4  (18)ガビチョウ2

<備考>
〇多摩平第三緑地の落ち葉の堆積した斜面で、アオゲラが枯葉をひっくり返し、15分ほ
 ど餌探しをしていた。近くではシロハラが競うように落ち葉をひっくり返していた。
〇ひょうたん池でモズの雄を観察する。岩井さんは池の西側で雌雄を撮影した。多摩平第
 三緑地ではモズの雌を観察するが、雄は現れなかった。


△モズの雄、ひょうたん池 3月11日 撮影:岩井満夫さん

△モズの雌 ひょうたん池 3月11日 撮影:岩井満夫さん

〇黒川公園で3羽、清水谷公園で1羽、ウグイスが囀っていた。
〇わきみず池東側で本日もルリビタキの姿を見る。


●調査日 2021年3月24日(水) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ11 (2)キジバト3 (3)モズ1♂ (4)ハシボソガラス6 (5)ハシブトガラス1
(6)ヤマガラ2  (7)シジュウカラ4  (8)ヒヨドリ6  (9)ウグイス2  (10)エナガ1
(11)ムクドリ2  (12)キセキレイ1 (13)コジュケイ6  (14)ドバト7 (15)ガビチョウ4

 
<備考>
〇マガモが姿を消した。3月22日大池2♂♀、あずまや池2♂♀、翌3月23日はあずまや
 池2♂♀になり、本日(3/24)黒川の池からマガモたちが姿を消した。今冬の初認は20年
 10月24日で、終認は3月23日になった。最多は3月6日の19羽(♂10♀9)である。なお
 昨年の終認は4月3日であった。
〇エナガを見る、入巣中か? 同日岩井さんが尾の曲がったエナガを撮ったので紹介する。
 

△エナガの尾が曲がっている 3月24日 撮影:岩井満夫さん
 

●調査日 2021年3月30日(火) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト4  (3)オオタカ1 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ1
(6)ハシボソガラス2  (7)シジュウカラ5  (8)ヒヨドリ4  (9)メジロ1  (10)コジュケイ2
(11)ドバト10  (12)ガビチョウ2

 
<備考>
〇黒川上空をオオタカがゆっくり多摩平方面に飛ぶ。
〇アオゲラが長時間ドラミングを続けていた。
〇けたたましいコジュケイのチョットコイが2カ所から聞こえた。本種は生息域を広げて
 いるようで、西端の清水谷公園から東は中央線を越えた神明野鳥公園でも確認されている。