金子凱彦の野鳥調査  169回
                             日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2021年11月1日(月) くもり

<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ45 (3)キジバト3 (4)カワセミ1 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス2 (7)シジュウカラ2 (8)ヒヨドリ11 (9)エナガ1 (10)ジョウビタキ1♀
(11)キセキレイ1 (12)ドバト17  (13)ガビチョウ3


<備考>
〇10月23日初認のマガモは今日も雄1羽のみでいる、後続は来ないのか。
〇あずまや池を飛ぶカワセミを見るが、すぐ姿を見失う。
〇カラ類の群れや混群に出会わなかった、寂しい限りである。エナガは声を聞いたのみ。
〇大池東端でジョウビタキに出会う、雌であった。警戒心が薄く、近づいても飛び立たな
 いので、その場をそろそろ離れた。はるばる日本海を渡ってこの黒川にやって来た、そ
 れを思うといとおしくなる。遠来の客をあたたかく迎えよう。


●調査日 2021年11月3日(水・祝) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ2♂♀ (2)カルガモ49 (3)キジバト4 (4)コゲラ1 (5)ハシボソガラス1
(6)ハシブトガラス1 (7)ヤマガラ3 (8)シジュウカラ11 (9)ヒヨドリ15 (10)メジロ25±
(11)キセキレイ1 (12)ドバト6 (13)ガビチョウ2

<備考>

〇マガモは大池に雌1羽、あずまや池に雄1羽に分かれていた。
 
 △大池のマガモの雌  11月3日 撮影:岩井満夫さん

 
 △あずまや池のマガモの雄  11月3日 撮影:岩井満夫さん

〇ケヤキの高木の樹冠部をメジロ20羽ほどが忙しそうに移動していた。混群ではなかった。
 
 △メジロ 黒川公園  11月1日  撮影:岩井満夫さん

●調査日 2021年11月15日(月) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ9(5♂4♀) (2)カルガモ41 (3)キジバト2 (4)ヤマシギ1 (5)コゲラ2
(6)ハシボソガラス2 (7)ハシブトガラス1 (8)ヤマガラ3 (9)ジュウカラ28+ (10)ヒヨドリ21
(11)エナガ10+ (12)メジロ5  (13)スズメ1  (14)キセキレイ1 (15)ハクセキレイ1
(16)ドバト6  (17)ガビチョウ5


<備考>
〇マガモは大池7羽(4♂3♂)、あずまや池2羽♂♀になる。
〇ひょうたん池北側の林床よりヤマシギが飛び立ち、林を抜け中央線方向に消える。タシ
 ギに比べだいぶ太っちょに見えた。以前から黒川で本種を見たとの話は聞いていたが私
 は初めてある、感激した!
〇シジュウカラ25羽以上、エナガ10羽ほど、メジロ5、ヤマガラ5、コゲラ2の混群に出
 会う。クヌギやケヤキの高木の樹冠部を移動していたので正確な羽数は分からなかった。
 なお同日の午後、黒川公園の別の場所でメジロ20羽ほどと、エナガ20羽ほどの群れを観
 察する。

●調査日 2021年11月19日(金) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ13(7♂6♀) (2)カルガモ33 (3)キジバト4 (4)オオタカ1 (5)モズ1
(6)ハシボソガラス3  (7)ハシブトガラス2 (8)ヒガラ1  (9)ヤマガラ4 (10)ジュウカラ14
(11)ヒヨドリ22  (12)メジロ4  (13)ムクドリ2  (14)キセキレイ1 (15)ドバト7
(16)ガビチョウ2

<備考>
〇中央線南側の吹上公園でドバトの狩りに失敗したオオタカが、中央線を越え黒川公園の
 ひょうたん池上空にやって来た。しばらく旋回していたが多摩平側に消える。ひょうた
 ん池わきで10月にドバトの食痕を見ており関係がありそうだ。
〇あずまや池でモズの声を聞くが姿は確認できなかった。前日、同じ池で岩井さんがモズ
 を撮影したので紹介する。本日の声の主はこの雌か。
〇単独でいたヒガラをじっくり観察する。春の記録はあったが11月は初めてか?本種は分
 布を拡げているとのことである。

 
 △あずまや池のモズ 11月18日  撮影:岩井満夫さん


●調査日 2021年11月27日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)マガモ11(7♂4♀) (2)カルガモ45 (3)キジバト3 (4)アオサギ1 (5)カワセミ2♂♀
(6)コゲラ1 (7)ハシボソガラス5 (8)ハシブトガラス3 (9)ジュウカラ3 (10)ヒヨドリ15
(11)アオジ1 (12)コジュケイ2 (13)ドバト5 (14)ガビチョウ2


<備考>
〇山王下公園の水路にアオサギが降りていた。散歩の人たちがスマホで盛んに撮っていた
 がなかなか飛び立たない。目前で見るとアオサギの大きさに驚かされる。
〇わきみず池でカワセミの雄を、大池で雌を見る。本日はカラ類や混群に出会わず寂しか
 ったが、華やかカワセミが2回も黒川に現れ満足だった。
〇第2コーポ前でアオジを観察する、今秋初めてであった。
〇久しぶりにコジュケイの“チョットコイ、チョットコイ”の声を聞く。